■コロナ禍からいち早く脱した豪州
欧州と対称的なのが、豪州。先週(10月26日~)、メルボルンでの新規感染者はついにゼロへ。
コロナの抑え込みに成功しており、中国と対立してもやっていける経済力もある。
明日(11月3日)のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])では利下げが見込まれていますが、急激な豪ドル高を嫌っての利下げでしょう。米国と比べれば、豪州の緩和の規模は圧倒的に小さい。
こうした点から中長期的には、やはり豪ドルは上昇していくのでしょう。
コモディティ市場では、ワールド・ゴールド・カウンシルの四半期レポートが注目です。
7-9月期の世界の金需要は、11年ぶりの低水準となりました。要因のひとつが、中央銀行のゴールド売却。
介入資金を確保するためか、トルコ中銀がゴールドを売っていたそうです。
トルコリラ/円は連日、史上最安値を更新していますね。
【参考記事】
●政策金利据え置きでトルコリラが大幅下落。対米ドルで年内に9.00リラ超えの可能性!(10月28日、エミン・ユルマズ)

(出所:TradingView)
トルコは、欧州とアジアの緩衝地帯であり、大企業の進出も活発です。
トルコリラ安に歯止めがかからず、万が一、トルコがデフォルトなんて事態になれば世界経済はパニックです。
あの規模の国が破綻すれば、影響は大きいでしょう。可能性は低いとは思いますが……。
米ドル/円は先週(10月26日~)、またも104円割れに失敗しました。
104円では、年金系の買いが入っているのでしょう。ただ、そのオーダーも米大統領選ではなくなるはずです。

(出所:TradingView)
■ユーロ/円の売り、豪ドルの押し目買い
今週11月5日(木)21時にはBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])のMPC(英金融政策委員会)、28時にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。
翌11月6日(金)の米雇用統計も含め、大統領選次第、としか言えませんね。
今週の戦略としては、大統領選で株価が調整するようならクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、特にユーロ/円の売りでしょうか。

(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、月足に引いた長期レジスタンスラインの上抜けに失敗した形となりそうで、一目均衡表の雲にも阻まれています。
ユーロ/米ドルは売らないんですか?

(出所:TradingView)
悪くはないのですが、米大統領選が控えていることに加え、中長期的に米ドル安を見込んでいることもあり、米ドルを買いたくありません。
あるいは、豪ドルが下げる場面があれば、豪ドル/米ドルやユーロ/豪ドルでの豪ドル買いもいいのではと思います。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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