今日は、11月5日(木)。米大統領選から2日が経ちました。しかし、現段階においても、どちらが勝利するのは、まだわかりません。
【参考記事】
●米大統領選とは? 制度のしくみや特徴、米ドルなどの為替相場や株価への影響を解説
●トランプ氏がフロリダを制す! 結果判明は長期化も? 情報錯綜、金融市場は複雑な動き
こういう状況の中で、コラムを書くのはとても難しいのですが、一応、解説を含めて書いていきます。
■大接戦の米大統領選。バイデン候補はあと6人
私が現在、このコラムを書いている時点での、一部メディアが報じている情勢を見ると、選挙人の獲得数はバイデン候補が264人、トランプ大統領が214人となっています。
(出所:AFPBB News)
勝利するには270人が必要ですので、バイデン候補は、あと6人となっています。
今、まだ結果が出ていない州は、ペンシルベニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州、ネバダ州、アラスカ州の5州です。アラスカ州の選挙人は3人なので足りませんが、それ以外の4州には6名以上の選挙人がいますので、この4つの州のうち、1つでもバイデン候補がとれば、バイデン氏の勝利となります。
もっとも可能性があるのは、ネバダ州ですが、その他の3州も郵便投票が開いてきて、バイデン氏がトランプ大統領との差を詰めてきており、大接戦になっています。
バイデン候補が勝利する確率は、かなり高いとは思いますが、4州とも、本当にどちらが勝利するか、わからないような接戦になっていますので、今の段階で断定はできません。
【参考記事】
●市場がバイデン勝利を織り込まないワケは? 米ドル/円は104~106円のレンジトレードで(10月22日、今井雅人)
●今回の米大統領選は2016年とは状況が違う。米ドル/円は当面104~106円、クロス円は?(10月16日、今井雅人)
■結果確定には、かなりの時間を要する可能性も…
さらに問題があります。もし、バイデン候補が勝利という状況になったとしても、そこで確定しない可能性があります。
その理由は、2つです。
1つは、今、トランプ大統領は、ウィスコンシン州など、本当に僅差で負けたところに、投票の再カウントを要請しています。ウィスコンシン州は、差が1%未満だったときは、再カウントを実施できるようなルールになっているそうですから、実際に実施される可能性は十分にあります。
トランプ大統領は僅差で負けた州に対し、票の再集計を要請している。今井氏は、州によっては実際に再集計が実施される可能性があると指摘 (C)Scott Olson/Getty Images
もう1つは、郵便投票です。今回の大統領選挙は、コロナ禍で実施されたため、郵便投票が激増しました。特に、バイデン候補が郵便投票を呼び掛けたことで、バイデン支持者が多く、郵便投票をしています。
バイデン候補の呼びかけもあり、今回の米大統領選では、民主党支持者を中心に郵便投票が急増している (C)Scott Olson/Getty Images News
この郵便投票は、不正の温床だと言って、トランプ大統領は、これを無効とするように訴訟を起こします。そうすると、結果が確定するのに、かなりの時間がかかることになります。米大統領選に関しては、このような状態です。
【参考記事】
●米大統領選、郵便投票の影響で大混乱に!? 討論会はバイデン氏がうまく立ち回ったか(9月30日、志摩力男)
さて、前回(2016年)の米大統領選のときは…
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