■クリスマス明けから取引は活発に
本日(12月25日)は、クリスマスで世界中の市場が休場となります。
日本の場合は、年末年始が長期休暇となり、企業も休業となりますが、欧米の場合はクリスマス休暇が主体で、年末年始という概念がなく、休業も1月1日の1日だけです。
むしろ、クリスマスが終わると、実質的な翌年のビジネスがスタートしますので、取引は活発化してきます。年末年始は大きく動くことが、これまでもよくありました。来週の12月29日(火)あたりから、取引が本格化してくると思います。それまでは小休止です。
【参考記事】
●2020年末~2021年初めは、FX取引時間の短縮や変更に注意。相場急変にも備えを
●クリスマスや年末年始でFXの取引時間はどう変わる? フラッシュクラッシュに要注意!?
■英国とEUがようやく合意。英国側がかなりの譲歩
さて、さんざん、やきもきさせられましたが、英国とEU(欧州連合)の通商交渉が、ようやく合意され、FTA(自由貿易協定)が批准される見通しとなりました。
これまでもお話ししたとおり、このFTAは、英国とEU双方にメリットがあり、特に英国にとっては、破談になればマイナスの影響は計り知れないものでした。
【参考記事】
●ワクチン普及で株高・円安の復活に期待! 引き続き資源国通貨や新興国通貨の買いで(12月17日、今井雅人)
ですから、最終的には何らかの合意がされるであろうと考えていましたが、ぎりぎりになって合意がされました。
ポイントは4つです。
1. FTAを結び、来年(2021年)1月以降も関税ゼロの貿易を続ける
2. 英国とEUの間で公平な競争が担保されない場合は、是正措置を講じる
3. 気候変動やエネルギー、安全保障など、共通の課題について協力を続ける
4. EUの漁業が予見可能性を持てるよう、5年半に渡る漁業権を確保する
これを見る限りは、英国側がかなりの譲歩をしているのが、よくわかります。
結局、英国のほうが、チキンレースで最後は折れると見ていましたが、やはりそういう結末となりました。
■英ポンド、下落のリスクが遠のく
その上で、金融市場への影響ですが、もちろん、合意されたことは英国にとってはプラスでしたから、英ポンドにとっては買い材料です。
しかし、合意がされても実際の相場の反応は、かなり鈍いものとなっています。
昨日(12月24日)の英ポンド/米ドルは、1.3619ドルまで上昇しましたが、直近の高値である12月17日(木)の1.3624ドルを上回ることができず、むしろ利食い売りに押されました。
(出所:TradingView)
これは、これまでさんざん振り回されて、市場が疲れていることもあると思いますが、やはり私と同じで、多くの市場関係者が、最後はどうにかなると思っていたからだと思います。
ですから、この材料で今後、英ポンドが急上昇していくという展開は、もうないと思いますが、下落のリスクが減ったということだけは言えるのではないかと思います。
(出所:TradingView)
■資源国通貨でのクロス円の押し目買いを継続
そのほかは、今のところ、非常に動きが鈍くなっています。
そんな中で、やはり、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の買いを中心にするという考え方を、キープしておきたいと思います。
特に、これまでお話しをしてきたとおり、ワクチンの普及による世界経済の回復を期待して、豪ドルなどの資源国通貨でのクロス円の押し目買いを推奨しておきます。
【参考記事】
●ワクチン普及で株高・円安の復活に期待! 引き続き資源国通貨や新興国通貨の買いで(12月17日、今井雅人)
●英ポンド、12/14(月)アジア市場の動きを警戒! 英国とEUの通商交渉が最終局面に(12月11日、今井雅人)
●緩やかなペースでリスクオンの展開が続く。ユーロ/円130円、メキシコペソ/円6円へ!(12月3日、今井雅人)
一気にはいかないかもしれませんが、大きく下落するリスクは今のところ、非常に少ないと見ています。豪ドル/円は、80円を目指す展開になると考えています。
(出所:TradingView)
米ドル/円、ユーロ/米ドルなどの主要通貨は、もみ合いが続いていますが、ここから抜け出すには、何か新しい材料が必要になってくると考えています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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