■ワクチン普及で益々、リスクオンの展開に
米国や英国などで、新型コロナウイルスに対するワクチンの承認が進んでいます。これで、近いうちにワクチンの普及が始まることが、確実になりました。
現在の世界経済を取り巻く環境の中では、このコロナの問題が最大、いや、唯一と言っていいくらいのテーマですので、ワクチンの普及を受けて、これからの金融市場は、益々、リスクオンになっていくであろうということは、まず前提で、お話をしておきたいと思います。
では、その上で、リスクオンの動きが今後、どれぐらいのペースで進むかということですが、これに関しては、ペースはかなり、緩やかなものになるであろうと考えています。
■リスクオン、今後は緩やかなペースか
理由は単純です。市場がこうした動きを、先に織り込みすぎてしまったからです。
そもそも、コロナ禍で企業業績が落ち込んでいるにもかかわらず、NYダウは史上最高値を更新、日経平均もバブル以来の高値という状況が異常です。
【参考記事】
●官製相場の株式市場は当面、崩れない! ならば、為替は円安傾向が緩やかに続くか(11月26日、今井雅人)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
言い方を変えれば、かなり伸びてしまっているということです。その中で、ワクチンの話が出てきているわけですが、これもかなり、期待感を先に織り込んできたのではないかと思います。
そういう意味において、これからのペースは緩やかになるのではないか、と考えています。
■円安と、ユーロや英ポンドに対する米ドル安
さて、次に具体的に、外国為替市場がどうなっていくかを考えましょう。
まず、最近の動きを見てみると、世界的に株式が緩やかに上昇するのに伴って、為替市場ではここまで、円安傾向がかなり鮮明になっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
また、対円以外では、米ドル安の傾向がはっきりしてきています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
その流れを参考にすれば、基本的にはこうした傾向が、これからも続くということではないでしょうか。
【参考記事】
●官製相場の株式市場は当面、崩れない! ならば、為替は円安傾向が緩やかに続くか(11月26日、今井雅人)
●円高になったところでドル/円・クロス円の買い。東京オリンピック開催も見えてきた!?(11月19日、今井雅人)
個人的には、今、起きている円安の流れは納得できるものの、米ドル安というのがやや、違和感がないわけではありませんが、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)で円安が進むという前提に立てば、米ドル/円はステイし、ユーロや英ポンドなどに対して米ドル安が進むという流れだということで、頭の整理をしているところです。
【参考記事】
●トランプ退場で、為替市場の動きに期待! ドル安・円安の懐かしい相関関係に戻りそう(12月2日、志摩力男)
●主要クロス円では「リスクオンの円安」を確認! 外貨高・円安の傾向は維持される(11月27日、陳満咲杜)
そこで、今回はそれぞれの通貨ペアに関して、当面(1~2カ月)の間、どのあたりまで…
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