■財務省・金融庁・日銀による3者会合が円高けん制
みなさん、こんにちは。
フラッシュ・クラッシュこそありませんでしたが、年始の米ドル/円は、米ドル安からスタート。一時102円台ミドルまで下落していました。
しかし、先週(1月4日~)後半から米ドル/円は反発。
きっかけは、「財務省と金融庁、そして日銀」の3者会合が開かれるとの報道が出回った事。
政府・日銀が3者会合 「市場安定が重要」、円高けん制
出所:日経新聞
この報道がなされたのが、1月7日(木)の午後でした。
その後、マーケットでは、米系リアルマネーと思われる「日本株買い・米ドル買い・円売り」が持ち込まれ、米ドル/円は反発。
加えて、本邦年金も巨額の米ドル/円の買いを持ち込んだとのウワサもあり、一時104円台へ。
(出所:TradingView)
昨年(2020年)末、菅首相は米ドル/円の100円をかなり意識しているという報道もありましたが、103円台で3者会合が行われたのは先手を打った形となり、米ドル/円は底堅く推移。
その後、巨額の米追加経済対策の報道が流れ、対円のみならず、対主要通貨で米ドルは反発しました。
■ビットコイン乱高下。440万円レベルへ暴騰後は急落
2021年に入って440万円レベルへと暴騰していたビットコインですが、先週(1月4日~)末より調整に入り、一時350万円を割り込むという乱高下を演じています。
(リアルタイムチャートはこちら → 仮想通貨リアルタイムチャート(対円相場) :ビットコイン/円(BTC/JPY) 日足)
そのため、今週(1月11日~)は月曜早朝から筆者も含め、米ドル買いに転じたトレーダーが増えていました。為替市場でも調整が入るのでは(?)という連想が働いたためです。
余談ですが、ビットコインは祝祭日に関係なく動くため、週初の為替相場を占う意味で、週末のビットコインの動きをチェックすることをおすすめしておきたいと思います。
■米追加経済対策に絡むサプライズ報道で米ドル反発
ユーロ/米ドルは、ECB(欧州中央銀行)当局がユーロ高牽制コメントを発するも、マーケットではスムージングオペレーションと一蹴され、一時1.2349まで上昇。
ところが、米長期金利の急騰もあり、その後、一転して1.2200ドルを割り込んで推移することとなりました。
(出所:TradingView)
そして、本稿執筆時点(1月14日午前)、いきなりCNNからサプライズの報道が流れます。
バイデン氏の経済対策案、2兆ドル規模の可能性と顧問語る
出所:Bloomberg
この報道がリリースされる前の追加経済対策は、1兆3000億ドル(135兆円程度)と報道されていました。
1兆3000億ドルでも巨額ですが、新型コロナウイルス対策で2兆ドルという金額は素直にサプライズ。
これを受け、米長期金利は反発。米ドル/円も104円台を回復しました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、1.2150ドル割れへ。
(出所:TradingView)
■ゴールドマン、米株急騰のヘッジに米ドルと社債活用提案
この米ドル上昇が継続するかどうかは、エコノミストの間でも意見が分かれています。
なぜなら、新型コロナウイルス対策で2兆ドルもの資金が投入され、株高となれば、リスクオンで米ドル安になる可能性もあるためです。
ただ、短期的に米ドル金利の上昇は米ドル高要因となります。
株は、すでにバブル状態へ。
(出所:TradingView)
この米国株の急騰に対し、ヘッジには米ドルとハイイールド社債の活用を提案しているのがゴールドマン・サックスです。
現在のリスク資産への陶酔は一斉売りの予兆だと危惧する投資家は、ポートフォリオのヘッジのためにドルと米クレジット市場に注目するべきだと、ゴールドマン・サックス・グループが助言した。
出所:Bloomberg
確かに、株のボラティリティは高く、オプションの購入も割高。
米ドル金利の上昇という側面に加え、バブルの様相を呈してきた米国株というリスク資産に対するヘッジでも米ドル買いが起こるのであれば、当面、米ドルが底堅く推移する可能性が高まります。
その米ドル買いの対象通貨は、欧州当局者から通貨高牽制コメントも出ているユーロ。
(出所:TradingView)
CNNの報道がリリースされる前から、ユーロ/米ドルは上値が重い展開が続いていた事もあり、当面、ユーロ/米ドルの戻り売りが効果的でしょうか。
2兆ドル規模とウワサされるバイデン政権の経済対策と、ユーロ/米ドルの動向に注目です。
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