■日経平均は3万円台に! リスク選好継続
世界的に、新型コロナの感染者は減ってきました。
ワクチンも普及しはじめているため、今後も感染者が減っていくことを期待したいところです。
まだ、ロックダウン(都市封鎖)をしている国も多いですが、感染者が減少すれば、経済が以前のように戻ってくるのではないかと思います。
そして、そこに米国の追加経済対策が出てくることになります。
その期待もあって、米株式市場で主要3指数は史上最高値を更新し、日経平均も3万円台を回復してきました。
(出所:TradingView)
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金融市場では、リスク選好が続いていることになります。
■目先の注目は、米財政政策の規模
ただ、実体経済に関しては、まだ弱く、米国の2021年1月の失業率は6.3%ですが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「実際は10%近くに悪化している」と発言しています。
労働参加率が低下していることが、失業率を下げているだけで、実際はまだ、かなり悪い状態のようです。
【参考記事】
●FX初心者のための基礎知識入門:米雇用統計
※米労働省労働統計局のデータをもとに作成
目先の市場の注目は、米国の財政政策の規模になります。
まだ米国の景気が悪いこともあり、1.9兆ドル規模の財政支出への期待がありますが、ワクチンの普及で経済が元に戻ってくる可能性もあるため、1.9兆ドルより少なくなる可能性もあります。
バイデン大統領のスタートを飾る財政政策のため、規模は大きくなると思いますが、インフレ懸念もあり、民主党内から批判する向きも出てきていますので、1.9兆ドルよりも少ない規模になる可能性の方が高いのではないかと思います。
市場の注目は、バイデン大統領の掲げる1.9兆ドル規模の経済対策案が実現するかどうかに集まっている。バカラ村氏は、1.9兆ドルよりも少ない規模になる可能性の方が高いと予想している (C)Scott Olson/Getty Images News
それでも、金融緩和はまだ継続され、コロナ患者も減少していることから、リスク選好は継続するのではないかと思います。
■米ドル/円は、押し目買い方針を継続へ
米ドル/円は、先週(2月8日~)は104.41円まで下がりましたが、「日銀がマイナス金利の深堀り余地を協議する」との観測報道で、反発しました。
(出所:TradingView)
さらに、2月15日(月)には、菅首相が予算委員会の答弁の場で、「米国の株価や我が国の株価も見るが、基本的に為替について注視している」と発言しました。
以前にも、菅首相は100円割れを懸念している、との内容の発言が報道されたこともあり、米ドル/円の水準を気にしているようです。
バイデン大統領の経済対策で、米長期金利が上昇しやすいため、米ドル/円も上昇しやすいのですが、そこに菅首相の発言もあって、米ドル/円は底堅い推移が続くのではないかと考えています。
米ドル/円のイメージは、これまでと変わらず、押し目買い継続で良いのではないかと考えています。
【参考記事】
●米ドル/円、2月は104~107円のレンジ幅を想定。押し目を待って買うスタンスで!(2月9日、バカラ村)
●米ドル/円の押し目買い継続! ドル安要因多いのに、米ドル安が進みにくい理由は?(1月26日、バカラ村)
■チャートからも強い形。106円台を狙う動きにも期待
米ドル/円は、チャートからは、102.59円まで下がり、そこから104.40円まで上昇。その水準を超えてから、先週(2月8日~)は、104.40円がサポートされたこともあって、強い形を維持しています。
【参考記事】
●底打ちの可能性高まる米ドル/円の押し目は拾う好機! しばらくは順張りスタンスで(2月12日、陳満咲杜)
●円の上昇力に陰り! アベノミクス開始時の予想どおりなら、将来米ドル/円は150円か(2月4日、志摩力男)
(出所:TradingView)
米ドル売りの流れもあるため、一気に上昇することはないと思いますが、まずは、目先の高値105.76円を目指す動きとなり、そして、106円台を狙うような動きが期待できるのではないかと思います。
来週、2月23日(火)は祝日のため、当コラムはお休みです。次回は、3月2日(火)になります。
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