中国恒大集団のデフォルト懸念から、リスク回避の動きが続いている
中国不動産開発大手の恒大集団のデフォルト懸念から、リスク回避の動きが続いています。
グループでの負債総額は3000億ドルになるとの見通しで、デフォルトとなれば、巨額になります。
そうなると、他の市場へ影響が出るとの懸念もあり、株式市場で株価は下落、為替市場はクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が下落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
ただ、米国や日本などの主要な株価指数が高値圏で推移していたことや、主要な中央銀行の金融緩和策が出口に向かっていることも影響していると思います。
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FOMCは、ドットチャートに注目。利上げ見通し前倒しなら米ドル高に
9月21日(火)~22日(水)はFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。
年内にテーパリング(※)が行われることは規定路線ですが、9月3日(金)に発表された8月の雇用統計が悪かったことから、今回はまだテーパリングの開始は示唆されず、11月もしくは12月にテーパリング開始となる可能性が高い状態です。
(※「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
【参考記事】
●IMMポジション重視で見るなら、豪ドル高か円高が期待できるか。今は、どの通貨が動き出すか見極めるとき(9月14日、バカラ村)
テーパリング自体は市場は織り込んでいることから、材料視されないと思いますが、ドットチャートの方が重要となってきます。
前回発表されたときは、来年(2022年)は据え置き、2023年に利上げ見通しでしたが、これが前倒しとなれば、米ドル高になると思います。
【参考記事】
●突然、ハト派からタカ派になったFRB。米ドル高継続なら、ユーロ/ドルは戻り売りで(6月22日、バカラ村)
米長期金利は1.25~1.38%での横ばいが続いていますが、これも上抜けることになると思います。
(出所:TradingView)
最近の経済指標(ニューヨーク連銀製造業景気指数や小売売上高など)が良かったこと、そして利上げ前倒しの期待もあり、今の米ドル高はリスク回避だけでなく、利上げ前倒し期待から米ドル高になっている可能性もあります。
米ドル/円は、上方向よりも下方向へのブレイクの方が、継続した動きが期待できるか
米ドル/円は約1カ月続いた109.40~110.40円のレンジを下抜け、109.11円まで下がりました。
ただ、2カ月続いている108.70~110.80円のレンジを下抜けることができず、110円を中心とした膠着が続いています。
ボリンジャーバンドはスクイーズ(バンドが絞られている状態)になっているため、材料があれば、いつ動きが出てきても不思議ではない状態です。
上でも下でも、どちらにブレイクしても不思議ではないのですが、IMMポジションからは、上方向へブレイクしたとしても、買いが続きにくいと思いますので、継続した動きが期待できるのは下方向へのブレイクだと思います。
【参考記事】
●IMMポジション重視で見るなら、豪ドル高か円高が期待できるか。今は、どの通貨が動き出すか見極めるとき(9月14日、バカラ村)
(出所:TradingView)
そのときに、米長期金利が同じ方向へ推移していれば、米ドル/円はブレイク後の動きも期待できるのではないかと思います。
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リスク選好フェーズに入れば、豪ドルは売りポジションの巻き戻しで上昇が期待できる
IMMポジションでは、豪ドルが8.3万枚の売りに偏っています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
過去20年で見ると、最大の売りポジションになってきました。
今はまだ、中国恒大集団リスクもあり、豪ドルは売られやすい状況だと思います。
またRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は、2024年までの政策金利の据え置きを示唆していることもあり、この点も豪ドルが売られやすい材料になります。
リスク回避となっている間は、豪ドル売りのポジションの巻き戻しは期待できないですが、リスク選好のフェーズに入れば、売りに偏っているポジションは巻き戻され、豪ドルの上昇が期待できると考えています。
(出所:TradingView)
IMMポジションは週刊の内容になるため、すぐに相場に影響を与えることはないですが、年末に向けては、豪ドルが上昇を始める場面が出てくると期待しています。
目先は中国恒大集団リスクで、クロス円が軟調になりやすいと思いますが、中長期で見ると、リスク選好となる場面では、豪ドルの上昇に期待が持てると考えています。
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