FOMCはドットチャートで利上げが前倒しに。米ドル/円は横ばいから動きが出てきた
米ドル/円は約2カ月の間、108.72~110.80円の横ばいが継続していましたが、FOMC(米連邦公開市場委員会)をきっかけに動きが出てきました。
9月22日(水)~23日(木)に開催されたFOMCでは、テーパリング(※)に関して、11月に開始を示唆する可能性が示されました。
そして、12月にテーパリングが開始され、来年(2022年)半ばには、テーパリングが終了する見込みとなります。
(※「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
テーパリングに関する内容については、市場はほぼ織り込んでいたことから、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の発言でも動きはありませんでしたが、ドットチャートに関しては、利上げ観測が前倒しとなりました。
これが、為替市場を動かしたことになります。
(出所:FRB)
前回(6月)のドットチャートは、2022年は据え置き、2023年に2回の利上げ見通しとなっていましたが、これが2022年に1回の利上げの可能性、2023年は3回、2024年も3回の利上げ見通しとなりました。
【参考記事】
●突然、ハト派からタカ派になったFRB。米ドル高継続なら、ユーロ/ドルは戻り売りで(6月22日、バカラ村)
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米長期金利の上昇を受けて、米ドル/円も相関性から上昇しやすい状況に
9月22日(水)のFOMC当日は、米長期金利の反応はありませんでしたが、翌日(9月23日)から上昇を開始。
これまで1.38%がレジスタンスでしたが、そこを超えて一時1.51%台まで上昇しました。
(出所:TradingView)
米ドル/円も長い間もみ合いが続いていましたが、一時、111.06円まで上昇しました。
(出所:TradingView)
米長期金利のチャートからは、1.12%でダブルボトムをつけ、その後はもみ合いを形成していましたが、1.38%をレジスタンスに安値が切り上がってきていることが見て取れ、底を確実に形成してきているような形となっています。
今後、FRBは利上げをしていくことから、米長期金利は長期的には上昇していくことになると思います。
米ドル/円も、米長期金利との相関性から上昇しやすい状況だと思います。
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米ドル/円は112円トライに期待。ボリンジャーバンドもエクスパンションし上昇の可能性を示唆
米長期金利は、3月30日(火)に1.77%台まで上昇し、そこから1.12%まで下がっていたこともあり、調整による下げをしたことから、上げ幅があることになります。
それに対して、米ドル/円は3月31日(水)の高値が110.96円で、そこからはほぼ横ばいに推移していることもあり、上げ余地はあまりないことになります。
ただ、米長期金利との相関性を考えると、米ドル/円も上がる可能性があるように思います。
ボリンジャーバンドもスクイーズ(バンドが絞られている状態)からエクスパンション(バンドが拡大している状態)しており、上昇の可能性を示唆しています。
(出所:TradingView)
また季節性からは、例年10月半ばから年末にかけては、米ドル/円は上昇しやすい傾向になります。
【参考記事】
●米雇用統計が良い内容なら、9月FOMCでテーパリング開始示唆もあるか。季節性から、10月から年末の米ドル/円は上昇しやすい(8月31日、バカラ村)
米ドル/円は上昇する可能性があると思いますので、まずは112円をトライする動きが期待できるのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
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