中国恒大グループのデフォルトが確認されて、格付け機関のフィッチが格下げを発表した。そのために今週に入って続いてきたリスクテークの流れが止まってしまった。しかしリスク回避が全面に出て、大きくリスク相場が崩れると言うことはなかった。ここまではすでにシナリオ通りで、想定の範囲内だったと言うことなのだろう。
コロナウイルスの変異株も、大方のところ、脅威は過ぎ去ったものと見なしているようだ。アメリカではコロナ感染者数が週平均で1日あたり12万人台となっており、大きな数字であるには違いないのだが、ロックダウンや生活の制限などの話しは一向に聞こえてこない。
いずれにしても本来ならば不透明要因のはずのものに対して、市場はやや楽観的な態度に傾きすぎているようにも思える。今晩はアメリカのCPIだが、インフレ懸念もやはり「もうすぐ落ち着く」という見方をしていたいだけなのだろうか。
事前の予想ではCPIはプラス0.7%くらいが見込まれているが、仮にこれよりも低くても市場はあまり反応しないだろう。先行指標であるPPIは大幅に増加しているのが確認された後でもあり、低い数字が出ても、今後の増加が顕著になるだけだという見方が強いからである。
やはり注目は上ブレのほうだ。それは来週にFOMCを控えているからでもある。すでに3月までのテイパリング終了も織り込まれており、6月から利上げに踏み切るとされている。これにもう一段階のタイトニングの意向が加わるのかどうか。ドル金利に注目したいところだ。
しかしドル円もユーロドルも、ここからドル相場が上がっていったにしても、今年のドル高値という重要なレジスタンスを迎えることになる。まずはそのレベルまで上がっていくのかが第一目標となる。抜けてくるためにはさらなる材料が必要となりそうだ。
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