ニュージーランドドルは続落、米ドルは依然レンジ
みなさん、こんにちは
先週のコラムでご紹介させていただいたニュージーランドドルは、今週(4月10日~)もじわじわと値を下げています。
(出所:TradingView)
一方、欧州通貨に対して米ドルは軟調に推移しており、米ドルはまちまちな動きです。
こうした不透明な環境下、米ドル/円は129円~134円のレンジをひたすら乱高下しているだけの相場に終始しています。
では、ここで年初からの主要通貨の動きをもう一度確認してみます。
下図は主要通貨の対米ドルの騰落率。
英ポンドや、スイスフラン、ユーロに対しては総じて米ドル安。一方、ニュージーランドドルや豪ドル、そして円に対しては米ドル高傾向となっています。
つまり今年の相場はクロス円が上がる下がるという表現は正しくなく、例えば英ポンド/円は上昇、ニュージーランドドル/円は急落といったまちまちな流れになっているのです。
見方を変えれば、昨年(2022年)の「オセアニア通貨買いVS欧州通貨売り」の逆流が起きているともいえます。
そして、こうした動きの中、個人的に注目しているのがスイスフランです。
ゴールドや仮想通貨が反発!
ここで視点を他の商品に向けてみましょう。
まずは、ゴールド(金)。今年の注目はコモディティというのは何度かご紹介させていただいているとおりですが、その中心がゴールドです。
下図はゴールドの日足。
(出所:TradingView)
ゴールドは年初1800ドル水準からスタートし、その後順調に値を上げてきており、今月初旬、節目の2000ドルを超えてきました。
そしてビットコインやイーサリアムをはじめとした仮想通貨も大きく上昇しています。
ゴールドを筆頭にこうした流れの時は、米ドルの上値が重い傾向にあります。
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ゴールドと相関性の高いスイスフランもじり高に
ゴールドと相関性の高い通貨ペアといえば米ドル。そしてスイスフランです。
ここで昨年からのスイスフランの動きを振り返ってみましょう。
そもそも昨年6月にSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])がタカ派に傾斜して以降、スイスフランは選好して買われてきました。
しかし、先月のクレディ・スイスの破綻の動きから、一時スイスフランは軟調に推移。
ただ、スイスの最大手であるUBS銀行がクレディ・スイスを買収することが発表されると、スイスフラン買いが再び加速。
(出所:TradingView)
米ドル/スイスフランの重要なサポートレベルであった0.9000フランがなかなか抜けなかったのですが、そのサポートラインを今週割り込んできました。
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ニュージーランドドル/円と米ドル/スイスフランを戻り売り
法定通貨の中でゴールドと相関性が高い通貨としては豪ドルもあげられます。
その意味において、1月までは僕も豪ドルのロング(買い)を推奨していましたが、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])の連続利上げによる豪州の景気悪化懸念から、現在は豪ドルとゴールドとの相関性が切れており、豪ドルは反落しています。
(出所:TradingView)
結果、ゴールドが底堅いことでの米ドル安と、スイスフラン高が相まって、米ドル/スイスフランの下値余地が拡大しています。
FRB(米連邦準備制度理事会)と日銀のピボット(政策転換)が話題となり、米ドル/円も上値は重いものの、日銀のピボットがなかなか現実化せず、当面まだ130~135円のレンジ圏内での推移。
そのため、先週ご紹介させていただいたニュージーランドドルは対円での戻り売り。そしてゴールドの動きを横目に、米ドル/スイスフランの戻り売りとします。そして、米ドル/スイスフランの下落に連れ、米ドル/円も戻り売りが良さそうです。
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