衝撃のCPIを受け米金利は急騰しドル高へ
みなさん、こんにちは。
4月10日、マーケットの注目を集めていた3月の米CPIの発表がありました。
結果は、前年同月比で市場予想を上回る強い数字が発表され、6月の米利下げ予測が急低下。ドル金利高、米ドル高の展開になりました。
円相場153円台でも介入無し 政府の本気度を試す市場
出所:日経新聞
米ドル/円は過去2年間、何度トライしてもブレイクできなかった神田シーリング(152.00円)をついに突破。
一時153.24円まで急騰しています。
(出所:TradingView)
この状況を受け、本日(4月11日)日本時間早朝、神田財務官が「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず適切に対応する」とコメント。
神田財務官、行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず対応-円153円台
出所:Bloomberg
米ドル/円は介入期待の押し目待ち
ただ、神田財務官のコメント後も、米ドル/円の反落は152.76円までと限定的。
今回の財務官のコメントでは、「断固たる~」という文言がなかったことがマーケットでちょっとした話題になっており、介入の水準は154~155円に変わったとする参加者も増えています。
(出所:TradingView)
ただ、「断固たる~」という文言がなかったからといって、153円台では介入しないというわけではないのでしょうから、マーケットの介入に対する警戒感は変わらず。
しかし、前回のコラムでもふれましたが、マーケットのセンチメントは「警戒感というより、むしろ期待感」といってもいいのではと考えています。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は、1米ドル=152円台が介入実施のレベルに!市場の警戒感は「期待感」へ変化。神田シーリングの152円が決壊すれば、一気にボラティリティが高まる!(2024年4月4日・西原宏一)
つまり、米ドル/円をショート(売り)にして待っている参加者が増えているということです。
これだけ介入に対する期待感が高まると、介入を効果的に行うのは極めて困難。
当局も介入のタイミングはかなり慎重にならざるを得ないといったところでしょう。
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豪ドル/円をはじめとしたコモディティ通貨/円は全面安
次に、強烈なCPIを受けた後の他通貨の動きをみてみましょう。
強烈なCPIの結果を受け、急騰したドル金利に呼応して米国株は大きく値を下げています。
米国株の下落はリスクオフの流れになるため、豪ドル/円をはじめとしたコモディティ通貨/円は全面安。
(出所:TradingView)
特に豪ドル/円は長期に渡り、ブレイクできなかった100円という節目をやっと固められるといったセンチメントだったのですが、再びあっさり反落。
米ドル全面高の中、前述のように当局はこれ以上の通貨安は受け入れがたいとして、自国通貨買のスタンスを変えていません。
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通貨高を避けたいSNBと通貨安を阻止したい日銀の間でスイフフラン/円は続落へ
一方、当コラムで注目のスイスの中央銀行は全く別なスタンス。
昨年までと相違し、通貨高を避けたいSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])は、自国通貨がこれ以上値を上げるようだと通貨売り介入をするのではないか、というスタンスを取っています。
この日銀とSNBの自国通貨に対するスタンスの相違から、スイスフランは対円でも値を下げると考えています。
ただ中期での米ドル/円のトレンドは、他通貨同様米ドル高トレンドの中にあり、160円に向けての上昇過程であることは変わらず。
そこで介入に備えて、短期ではユーロ/円やスイスフラン/円をショートにする参加者が増えてきています。
(出所:TradingView)
米ドル/円に関しては、介入実施により押し目を形成すると想定していますので、あくまでも押し目待ちで。
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