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「気がつけば円安」の相場が続いている
円相場を取り巻く環境は、この1週間特に変化はありません。「気がつけば円安」の相場が続いています。
7月31日(水)の日銀金融政策決定会合まで円安は進むと前回予想しましたが、ますますその可能性が高くなってきています。
これだけ動きがゆっくりだと、日本政府もなかなか動きが取れません。水準的には為替介入をしたいところですが、このタイミングですと、米国政府の理解も得づらいですし、何より、相場の動きが安定しているときは、米ドル売り・円買い介入をしても、その効果は一時的になってすぐに戻ってきてしまう可能性が高いと考えられます。
31日の日銀金融政策決定会合についてですが、すでに国債買入れの減額を検討することを発表しています。正直言って、これを事前に発表したことは失敗です。
このことによって、市場の注目がどれぐらい減額するかというところに集まってしまっています。そうなると、市場が驚く規模の減額をしないとかえって失望感が広がり、円安が加速することになってしまうからです。
現在、月額6兆円程度の国債買入れを行っていますが、これを半分にするぐらいの思い切ったことを決めなければ、効果はないと思います。
そして、その判断をする可能性は低いと予想しています。また、一部で政策金利の引き上げも同時に決めるのではないかという期待する声が上がっていますが、それもなかなか難しいと思います。もし、本当にそれをやれば、米ドル/円で2-3円程度の円高は期待できるのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
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先物市場では5割以上が9月FOMCでの利下げを織り込んでいる
一方、海を越えて米国では、昨日(7月10日)と一昨日(7月9日)の2日間、パウエルFRB議長が米上下院で議会証言をしています。
そこでは、利下げに関して「インフレに関してさらなる確信が欲しい」と慎重な姿勢を見せました。
最近の経済指標の動向を見ていれば、当たり前の内容ですが、ともかくこの夏はFRB(米連邦準備制度理事会)には動きはないということです。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物市場を見ると、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げを5割以上織り込んでいますが、それすらも難しいのではないかと予想しています。
(出所:CME)
本日(7月11日)発表される6月のCPI(米消費者物価指数)は年率で3.1%の上昇が予想されていますが、これが3%を割り込むぐらいのことが起きないと9月利下げは難しいと思います。指標の結果に注目をしておきましょう。
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政治的なショックから急落したメキシコペソは反発
また、メキシコペソ/円ですが、政治的なショックから一時急落しましたが、しばらくリスクを吸収する期間をおいて、また上昇を始めています。
今後はまだジリジリと上昇していく可能性が高いと考えています。当面は、特にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)中心に円売り継続です。
(出所:TradingView)
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