米大統領選挙の結果はトランプ氏圧勝
米大統領選挙の結果は、トランプ氏の圧勝でした。
(出所:NYタイムズ)
前回(2020年)の大統領選挙において、民主党のバイデン氏を支持したペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ジョージア、アリゾナ、ネバダ各州において、トランプ氏がすべて勝利しました。
選挙人の数では、ハリス氏226人、トランプ氏312人と大差での勝利でしたし、今回は総得票数においてもトランプ氏が約7700万票とハリス氏の約7450万票を上回りました。
上院は共和党53議席、民主党47議席、下院では共和党219議席、民主党213議席(今のところ)と、いわゆる「トリプル・レッド」となりました。
今回は、トランプ次期大統領が全面的に国民の支持を得ていると感じさせる結果でした。
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米大統領選挙の結果がマーケットに与える影響は?
米大統領選挙の結果はマーケットにどのような影響を与えるのでしょうか。
選挙前からトランプ氏勝利を想定した、いわゆる「トランプトレード」が進んでいました。
【※関連記事はこちら!】
⇒米国大統領選挙迫る!ハリスvsトランプどちらが優勢なのか?マーケットではトランプ氏当選を前提としたトレードがすでに活発化している!?(10月22日、志摩力男)
トランプ氏の政策は以下のとおりです。
1.関税
2.減税
3.将来の米ドル安(対円、人民元)
米ドル安政策に踏み切るのかどうかわかりませんが、まずは関税を引き上げ、それから減税で景気を刺激します。関税の引き上げはインフレ率を高め、米ドルを上昇させるでしょう。
よって、トランプトレードとは、米ドル高、米株高、米金利上昇に賭けるトレードとなります。それに加えて、仮想通貨(暗号資産)に対する規制を緩和するので、仮想通貨高です。
実際、トランプ氏勝利後も米金利は上昇し、米ドル高となりました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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トランプ新政権人事に市場は注目している
マーケットの関心は、トランプ新政権の人事に移っています。
真っ先に決まったのは、大統領首席補佐官の座。選挙戦でトランプ陣営をまとめたスーザン・ワイルズ氏が指名されました。あまり表に出るタイプではないですが、彼女がこれからもトランプ政権の鍵になると考えられています。
主要閣僚も次々と決まり、国務長官に対中強硬派のマルコ・ルビオ氏、国防長官に元FOXキャスターのピート・ヘグセス氏、厚生長官にワクチン否定派のロバート・ケネディ・ジュニア氏と物議を醸す人達が決まっています。
トランプ勝利に貢献したイーロン・マスク氏はDOGE(Department of Government Efficiency・政府効率化省)に任命されました。
しかし、肝心の財務長官人事はなかなか決まりませんでした。
当初は、巨大ヘッジファンドを運営するジョン・ポールソン氏が有力と見られていましたが、彼の持つ複雑な金融商品の影響で公職に就くことはできないと、財務長官レースから撤退しました。
ケビン・ウォルシュ元FRB理事が財務長官となり、2026年にパウエル氏の任期が来たときにFRB議長として横滑りすると言う観測記事をWSJ(ウォールストリート・ジャーナル)紙までもが発表しました。
結果的には当初の下馬評通り、米ヘッジファンド経営のスコット・ベッセント氏が財務長官に指名されました。
イーロン・マスク氏は「ベッセント氏は平時での選択だが、ラトニック氏(商務長官に起用)は実際に変革を実現するだろう」とX上で発言しましたが、これはちょっと矩(のり)を超え過ぎた感じはします。
Would be interesting to hear more people weigh in on this for @realDonaldTrump to consider feedback.
— Elon Musk (@elonmusk) November 16, 2024
My view fwiw is that Bessent is a business-as-usual choice, whereas @howardlutnick will actually enact change.
Business-as-usual is driving America bankrupt, so we need change… https://t.co/igGLZOJ8wz
ベッセント氏はWSJ紙に寄稿し、市場はトランプ大統領の勝利を歓迎しているとブチ上げました。当初は関税を引き上げるとインフレ率が上昇すると発言したために、トランプ氏の信用を失いかけていましたが、ベッセント氏は復活しました。
関税を引き上げ、減税し、規制緩和で経済成長を求めるとトランプ氏の主張をそのまま受け入れています。
おそらくベッセント氏はムニューシン前財務長官同様、出しゃばらない、忠誠心の厚い財務長官として君臨するのではないでしょうか。
元ソロスファンドのファンドマネージャーですが、ソロス氏も一緒に働くことが大変苦痛になるタイプとよく言われていました。そうした「俺様」的なトップに仕える方法をよく知っているのではないかと思われます。
ベッセント氏の主張としては、米ドル高容認、仮想通貨も容認、高経済成長を目指す、といったところでしょうか。
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感謝祭(サンクスギビング)前で為替市場はポジション調整主体
マーケットは感謝祭(サンクスギビング)の前でポジション調整を優先してくるでしょう。本格的なトレードは来月(12月)からと言うことになりそうです。
そして、2025年も米ドル高、米金利上昇、米国株は基本強いと言う予想が多くの米系銀行等から出ています。
為替市場においては、ユーロ/米ドルがこれまでの1.05-1.12ドルレンジを下抜けてきました。リバウンドしたところは、基本的にユーロ売りで臨みたいと考えています。
(出所:TradingView)
米ドル/円に関して言えば、さらなる円安を日銀・政府は嫌っているように見えます。12月日銀政策決定会合では利上げの可能性も十分あるのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
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