米ドル/円は三村財務官の「断固たる措置」発言で160円台から158.28円まで反落も、トランプ大統領の発言で再び米ドル高に
西原宏一(以下、トレーダー西原) 叶内文子(以下、MC叶内) みなさん、こんにちは。
MC叶内 西原さん、中東情勢は混迷状態ですね。
トレーダー西原 中東情勢のニュースが毎日どんどん出てくるので、追いかけるのが大変ですが、相場的にはほとんどノイズとして終わってしまう報道が多いので、注意したいですね。
それでは叶内さん、さっそく先週(3月30日〜)の株の振り返りからお願いします。
MC叶内 ホルムズ海峡の安全航行のため、イランとオマーンが協調して方策を検討していることなどが伝わり、停戦期待が高まりました。ここまでの下落で割安感の出た米国株は、週後半に向けて戻りを試しています。
S&P500は前週末比3.36%高と6週ぶりに上昇しました。NYダウは+2.96%、ナスダック総合指数は+4.44%で4月2日(木)の取引を終えました。4月3日(金)はグッド・フライデーで休場でした。
マグニフィセントセブン(※)のうち6銘柄が週次で上昇、AI・半導体関連にも買いが入りました。
(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)
3月の失業率が予想外に低下するなど、米国経済の底堅さを感じさせる指標が多かったことも安心材料となりました。
ただ、トランプ大統領は4月1日(水)、今後イランに対して激しい攻撃を加えると国民に向けて演説しており、原油価格は高止まりしています。
日本株は引き続き中東情勢をめぐる報道(トランプ大統領の発言)に振り回される形で、日経平均が取引時間中の高安で約3700円も動きました。週末は前週末比249円(0.4%)安の5万3123円と小反落で終えています。TOPIXは-0.1%と下げ幅が限定的でした。
為替市場はいかがでしたか。
トレーダー西原 先週月曜日(3月30日)の米ドル/円は160円台でスタート。
マーケットが介入にかなり警戒していた中、三村財務官が「この状況の円安続けばそろそろ断固たる措置を取る」とコメントしたため、一時158.28円まで反落しました。
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⇒米ドル/円は160.46円に到達も、三村財務官の「そろそろ断固たる措置」発言で失速。介入なら買いのチャンス!? エネルギー輸入頼りの日本で円安トレンドを変えるのは困難(3月30日、西原宏一&叶内文子)
ただ、実際に介入があったわけでもなく、当局の口先介入にマーケットが神経質になって反落しただけなので、下落幅はわずか2円程度。
その後、トランプ米大統領が国民向けに「今後2~3週間でイランに極めて厳しい打撃を与える」「合意が成立しなければイランの発電所を攻撃する」と演説。
演説前のマーケットは「我々は勝利した」とか「戦争は1週間程度で終結するだろう」というコメントを期待していたので、相場は一気に原油高、株安、米ドル高、円安という流れに戻ります。
もともと米ドル/円という通貨ペアは、日米金利差の縮小や、日経平均の動きに大きく影響されて動く資産ですが、イラン戦争が勃発して以降、原油価格との相関性を一気に高めています。
原油と米ドル/円に関しては展望で取り上げますね。
それでは叶内さん、今週(4月6日~)のイベントと株の注目点をお願いします。
米ドル/円は162円超え目指し押し目買い継続。原油高による日本の貿易赤字拡大は、数カ月後に米ドル買い需要となり顕在化しそう
MC叶内 中東情勢が相場を左右することに引き続き変わりはないと思います。
週末には、イランの攻撃によってUAEの天然ガス処理施設や、クウェートの製油所や淡水化施設などに被害が出たと伝わっていました。4月3日(金)には米国の戦闘機F-15EとA-10がイランによって撃墜。今回の戦闘で初めてのことです。一方、第三国が仲介し停戦に向けた協議が進むとの期待もあります。
経済指標などでは、4月6日(月)に米3月ISM非製造業景気指数が発表になります。製造業は全体としては22年以来の高水準でしたがサービス業は小幅低下の見込みです。4月8日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(3月17日~18日開催分)が公表されます。4月9日(木)に米2月の個人所得と個人消費支出が出てきます。FOMC後の会見でパウエル議長が紹介した、PCEデフレータのスタッフ推計値は、総合の前年比が+2.8%、コアの前年比が+3.0%でした。
そして、4月10日(金)に米国3月CPI(消費者物価指数)が発表されます。市場予想は前月比+0.9%・前年比+3.3%に加速(2月+0.3%/+2.4%)、コアは前月比+0.3%・前年比+2.7%(2月+0.2%/+2.5%)に加速するとみています。ガソリン小売価格が前年比+14.5%と急騰した影響がどの程度波及しているか注目されています。
また、4月10日(金)の4月ミシガン大消費者信頼感で、家計のインフレ予想も気になります。同日には中国の3月CPIとPPI(卸売物価指数)も発表されます。
国内では、4月7日(火)に2月家計調査、2月景気動向指数、4月8日(水)に2月毎月勤労統計が発表になりますが、これらはやや古いデータ。同日に出てくる3月の景気ウォッチャー調査は、調査期間が3月25日(水)〜31日(火)なので中東情勢を受けた「現状判断」の悪化と不透明感による「先行き判断」の慎重さが数字に表れる可能性が高いと見られます。コメントにも注目です。
日本株については、2月期企業の決算発表が始まります。コストプッシュ圧力のなかで来期業績計画をどう出してくるかが注目です。4月10日(金)がオプションSQ(特別清算指数)算出日です。
為替市場の見通しはいかがですか?
トレーダー西原 まず4月4日(土)、トランプ米大統領は自身のSNS「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」に次のように投稿しました。
「私がイランに10日以内に合意に署名するか、ホルムズ海峡を開放するよう求めたことを覚えているか? 時間は刻々と過ぎている。地獄が彼らに降りかかる(all Hell will reign down on them)まであと48時間しかない! 神に栄光あれ!」
これでは原油が高止まりする公算が高い。その後、トランプ米大統領はもう一度交渉期限を延長したようです。
トランプ米大統領は5日、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のインタビューで、ホルムズ海峡開放を巡るイランとの交渉期限について「7日夜」(日本時間8日)だと説明した。これまで6日としていた期限を延長した。SNSには、説明なく「米東部時間7日午後8時(同8日午前9時)」とだけ書き込んだ。交渉の進展は見通せない状況が続いている。
交渉が延長されるということは、水面下でイランとの交渉が進んでいることを連想させますが、この期限がまた変わるかもしれないので要注意ですね。
ともあれ、イランとの交渉がある程度うまくまとまってもホルムズ海峡が解放されなければ、原油価格は簡単には下がりません。
この原油高による日本の貿易赤字拡大ですが、数カ月後には顕在化し、米ドル/円での米ドル買い需要がさらに高まるのではないか?という見方が拡大しています。
結果、仮に当局が単独介入に踏み切ったとしても、貿易赤字の拡大を止められないわけですので、米ドル/円の上昇トレンドは変わらず。
米ドル/円は162.00円のブレイクを目指し、ユーロ/円とともに辛抱強く押し目買い継続というスタンスです。

(出所:TradingView(トレーディングビュー))
トレーダー西原 MC叶内 それでは、今週も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!
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