「FX」は、為替レートが上がるか下がるかを予想する取引
「FX」とは、為替レートが上がるか下がるかを予想して、予想が当たれば利益、予想が外れたら損失となる取引のこと。買いからも売りからも取引を始めることができるので、買った値段より高い値段で売却するだけでなく、売った値段より安い値段で買い戻すことで利益を出すこともできます。
「FX」の正式名称は「外国為替証拠金取引」で、その名のとおり、外国為替を証拠金を使って取引する金融商品です。「FX」は「Foreign Exchange」の略なので、直訳すると「外国為替」になりますが、日本では「FX=外国為替証拠金取引」という認識が定着しています。
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「外国為替」とは、通貨を別の通貨へ交換すること
「外国為替」とは、ある通貨を別の通貨へ交換(売買)することです。企業が海外との取引で、外貨で受け取った売上金を自国通貨へ交換すること、反対に購入代金を外貨で支払うときに自国通貨を外貨へ交換することが、「外国為替」の具体的な例として挙げられます。
「外国為替」は、厳密には通貨そのものの直接的なやり取りはせず、為替手形や送金小切手などの信用手段で決済を行う方法のことを指しますが、銀行や空港などにある外貨両替サービスを利用して手持ちの通貨を外貨に交換することも、広い意味では「外国為替」にあたると言えます。
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「通貨ペア」は異なる通貨の組み合わせ、「為替レート」は通貨を交換するときの比率
「通貨ペア」とは、異なる通貨の組み合わせのこと。米ドルと円なら「米ドル/円」、ユーロと円なら「ユーロ/円」、ユーロと米ドルなら「ユーロ/米ドル」のように、2つの通貨を並べることで表します。
世界の多くの国や地域が自国通貨を持っているので、外国為替の世界には非常に多くの通貨ペアが存在しているということになります。
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「為替レート」とは、通貨を異なる通貨へ交換するときに用いられる比率(値段)のこと。米ドル/円なら「1米ドル=100円」と表し、この場合、1米ドルは100円、100円は1米ドルと交換することができるということになります。
「為替レート」の水準は、お互いの通貨の価値が上がったり下がったりすることによって、刻一刻と変動しています。米ドル/円なら、「為替レート」が「1米ドル=100円」になったり、「1米ドル=110円」になったり、「1米ドル=90円」になったりすることもあります。
「FX」の取引の基本は「安く買って高く売る」か、「高く売って安く買い戻す」
「FX」は、為替レートが上がったり下がったりすることを利用した取引で、買った値段(為替レート)よりも高い値段で売却するか、売った値段よりも安い値段で買い戻せば利益になります。
もちろん、安い値段で買ったつもりでも、買ったあとに値段がもっと下がってしまったり、高い値段で売ったつもりでも、売ったあとに値段がもっと上がってしまうこともあります。これは、株式などの他の金融商品と同じです。
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また、「FX」では単純に買った値段と売った値段の差を、利益や損失としてやり取りします。外貨両替や外貨預金のように、実際に通貨を交換する必要はありません。
このように、対象となる価格の値動きだけを利用して取引する仕組みを、金融市場では「CFD」、日本語では「差金決済取引」と呼ぶのが一般的です。「CFD」には、「FX」の他に株価指数、株価指数先物、債券、商品(コモディティ)などがあり、「FX」もCFDの一部ということになります。
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また、FXは「証拠金」を使って取引します。「証拠金」とは、取引の担保としてFX会社の口座に預ける資金のこと。FXには「証拠金」を使うことで、実際の取引規模よりも少ない資金で取引できる仕組みが取り入れられていて、このような仕組みの取引は「レバレッジ取引」とも呼ばれています。
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「FX」の誕生は1998年。一時は日本のFX取引が外国為替市場の取引高の半分を占める規模に!
「FX」は、今や資産運用の1つの手段として多くの投資家に知られていますが、一般の投資家が「FX」を通じて外国為替の取引に参加できるようになったのは1998年と、それほど昔の話ではありません。
「FX」が誕生したのは、欧米に遅れをとっていた日本の金融市場を活性化させるための改革の一環として、1998年4月に「外国為替及び外国貿易法」、一般的に「改正外為法」と呼ばれる法律が施行されたことがきっかけです。それまで、外国為替に関する取引は一部の外国為替公認銀行しか行うことができませんでしたが、外国為替を一般企業や個人にも開放して、完全に自由化することが認められたからです。
世界で最初の組織的な先物取引市場と言われている「堂島米会所」で、米の先物取引が正式に始まったのが1730年で、東京証券取引所(東証)の前進となる東京株式取引所が設立されて、日本で株の取引ができるようになったのが1878年ですから、1998年に誕生したFXは、まだまだ新しい金融商品であるということがわかります。
しかし、一時期は、日本の個人投資家によるFXの取引高が、世界中の外国為替の取引高の約半分を占めるほどの規模になり、複数の日本のFX会社が年間取引高の上位に毎年のようにランクインするなど、日本では多くの投資家が資産運用の手段としてFXを利用しています。
「FX」には「信託保全」など、投資家を守る制度が充実している
「FX」ができるようになった当初は取引に関する法律や規制がなく、参入の障壁も低かったため、中には執拗な電話勧誘や出金拒否、高額な売買手数料の請求、顧客の資産で無断売買を行うなど、今では考えられない不当な営業をしていたFX会社も存在し、「FX」が社会的に問題視された時期もありました。
そこで、2004年12月に改正された「金融先物取引法(金先法)」によって(施行は2005年7月)、FX会社には金融先物取引業の登録を受けることが義務づけられ、登録を受けていない業者は「FX」を取り扱うことができないようになりました。
また、金先法の改正で、「FX」が金利先物取引や株価指数先物取引などと同じ「金融先物取引」に認定され、「一般社団法人金融先物取引業協会(金先協会)」が、FX会社の自主規制団体に設定されました。以降、FXに関する細かなルールの策定などを通じて、FXの健全な発展や顧客保護の徹底がはかられています。
さらに、現在では、FX会社には「自己資本規制比率」を一定水準以上に保つことが求められているほか、顧客から預かった資産を自社の資産と分けて保管する「信託保全」の制度も義務づけられているので、万が一、資産を預けてあるFX会社が倒産しても、預けてある資産は原則として全額、返還される仕組みも導入されています。
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ただし、金融先物取引業の登録を受けたFX会社なら100%、絶対に安全とも言い切れません。過去には、金融先物取引業の登録を受けて営業しているFX会社が破たんしたこともありました。
どのFX会社に口座を開設しようか迷うときは、FX会社の規模や体力の目安を表すとされる「資本金」の額や、財務の健全性を表す指標となる「自己資本規制比率」などの、FX会社の「安全性」や「信頼性」などを基準に選ぶのもおすすめです。
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他にも、FX会社の人気のバロメーターとなる「口座数」や「証拠金の預かり残高」、自社もしくは親会社などの関連会社が証券取引所に上場しているかなど、FX会社の信頼性や安全性をはかるのに参考になりそうな指標はいくつかあります。また、取引の結果に直結する「最低取引単位」「スプレッド(取引単位)」「スワップポイント(スワップ金利)」などの水準は、FX会社(FX口座)によって異なるため、それらも含めて総合的に満足度の高いFX会社を選ぶことが、重要になってくるでしょう。
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(最終更新日:2022年2月18日)
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