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ドルインデックスは日足で「ダブルトップ」を形成か。中東情勢にかかわらず、米ドルは買われにくいから米ドル高自体に限界がある
「有事の米ドル高」が続かないことは、既述のとおり。米ドル全体も反落してきたが、目先は中東戦争停戦の話がもたらした米ドルの反落であり、まだ本質的な米ドル下落ではないと思う。
もっとも、ドルインデックスを見ればわかるように、日足において「ダブルトップ」を形成した可能性がある。

(出所:TradingView)
米ドルの頭打ちは停戦の話を受けた結果に違いないが、見逃してはいけないポイントがある。
1つは、トランプ大統領の言動にマーケットは強い警戒心を持っていること。いわゆるTACO(トランプ氏のご乱心やスタンスの途転)があることを市場参加者は想定し、値動きに織り込んでいることだ。
もう1つは、有事の期間が長ければ長いほど、米ドルの信頼性が損なわれ、むしろ売られやすい構造になる可能性があることだ。
したがって、一見すると停戦の可能性に反応した米ドル高の一服だが、本質的には構造上の問題だと思われる。中東有事の行方がどうであれ、結局米ドルが買われにくいから、おのずと米ドル高自体に限界がある。
米ドル全体の構造問題である上、米ドル/円は当局介入の可能性が強く意識されているのも大きな要素だ。原油相場の高止まりがあればインフレを抑制できなくなり、これ以上の円安は到底容認できないから、当局の介入姿勢自体は確実である。投機筋がいくら円売りで仕掛けたいとしても、無茶はできないはずだ。
日銀の4月利上げ説も円の買戻しを促す見通し。まだ市場に織り込まれておらず、これから為替レートに反映されるだろう
さらに、急速とはいえないが、浮上してきた日銀の4月利上げ説も円の買い戻し(キャリートレードの逆戻し)を促す見通しだ。日経新聞の報道によると、日銀は3月26日(木)に需給ギャップの数値を見直した。景気は4年ほど前からインフレを生みやすい需要超過の状況にあったと指摘した上で、物価動向をはかる新指標を発表。従来の指標より高めのインフレ率になりやすいという。
要するに、日銀は利上げ継続路線を押し進めるために、地合いを整えた。3月30日(月)の衆院予算委員会に出席した植田日銀総裁は、利上げが遅れて物価高となれば「長期金利上振れ」と明言し、利上げ姿勢を暗示した。
さらに、昨日(4月9日)参院財政金融委員会にて、「短中期を中心に実質金利は明らかなマイナス、設備投資は緩やかな増加基調が続いている」、「財政支出で市場金利が上昇し、クラウディングアウト(※)が生じる可能性はある」などと発言。長期金利の上昇を牽制するために、利上げも辞さない意向を示し、4月利上げの公算を高めた。
(※「クラウディングアウト」とは、政府が大量に国債を発行することで金利上昇を招き、結果として民間の資金調達が圧迫されること)
無理もない。長期金利の急上昇や高止まりが確認される一方、原油高がもたらした輸入インフレ高騰のリスクから考えて、日銀は利上げせざるを得ない事態に追い込まれている。すでに後手になった以上、もはや高市政権の顔色をうかがう余裕はない。そして、市場は目先、中東情勢やトランプの言動ばかりに目を奪われ、日銀の利上げをまだ織り込んでいない分、これから為替レートに反映される見通しだ。
テクニカル的にも複数の通貨ペアで米ドルの頭打ちが見られるが、停戦報道によるところが大きいため、次のサインを待ちたい
もちろん、日本当局の介入姿勢も本物だとみる。だからこそ、米ドル/円のトップアウトの可能性は日足にて形成されつつある「ソーサートップ」というフォーメーションによって示されるかもしれない。

(出所:TradingView)
前回のコラムで指摘したユーロ/米ドルの底打ちの可能性は、「1-2-3の法則」に沿った見方において、すでに達成したとみる。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドルを積極的に売るのは、ユーロの底打ちと米ドルの頭打ちを確認してから! 「有事の米ドル高」に陰り。有事が続くほど信用を損ない、米ドル高は続かないとみる(2026年4月3日、陳満咲杜)

(出所:TradingView)
そして英ポンド/米ドルにおける「下落ウェッジ」の形成や上放れもしっかり確認されている。

(出所:TradingView)
しかし、米ドルの頭打ちを判定するには、もう少し時間がかかるかと思う。なぜなら、本格的な米ドルの頭打ちが、停戦ではなく情勢の深刻化に「逆行」する形で確認されれば、テクニカル的に可能性が高いと言えるからだ。次のサインを待ちたい。市況はいかに。













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