みなさん、こんにちは。
■クロス円やユーロ/ドルが大きく値を戻した
この1週間も相場はかなり動きました。そこで、まずはこの1週間を振りかえってみたいと思います。
先週のコラムなどで、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)やユーロ/米ドルはかなり売られ過ぎていたので、ポジション調整の買い戻しが起きる可能性があると指摘しておきました(「円高傾向に変化なし。ただ下落スピードが速いため、クロス円はいったん反発も!」など参照)。
実際には、自分が考えていた以上に戻りの幅が大きくなっています。

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いちばん大きかったのは、ギリシャショックに対するEU(欧州連合)諸国の対応がかなり本気ムードだということが、市場に伝わったためだと思います。
■EUの「本気ムード」が市場に伝わったことが反発の主因
ギリシャは以前に、EUとIMF(国際通貨基金)から金融支援を受けた際、財政赤字の削減目標を守ることを約束しました。しかし、その目標が達成できないという見通しを発表しました。
これに対して、EUとIMFはアテネに集結して支援を続けることを決定し、80億ユーロという金額が新たに融資されることになりました。
また、EFSF(欧州金融安定化基金)の拡充に関しても、EU各国でその承認の手続きがなされていましたが、最後のスロバキアの議会で否決されて一瞬ヒヤッとしたものの、どうやら、承認のメドがたったもようです。
さらに、ギリシャ政府向けに融資・投資をしている民間金融機関に対して一段の債権減免を求めており、5割ぐらいまでに引き上げるような方向性が打ち出されています。
民間金融機関も、最終的には受け入れざるを得ないと思います。
■クロス円は、売り場を狙う水準になりつつある
もちろん、これらのことをもって、ギリシャ問題が解決するわけではありません。
しかし、とりあえずはギリシャのデフォルト(債務不履行)という危機を免れることができましたし、EU諸国がギリシャ救済に本気で今後も取り組むという姿勢を見せたことは、市場への大きなメッセージになったのだと思います。
当面のところ、ギリシャショックに伴う市場への影響が、いったん収まったということです。
ただし、カン違いしてはならないのは、世界経済は決して回復していないということです。1つの波乱材料が一時的に収まっただけであると今でも考えています。
クロス円は、売り場を狙う水準になりつつあると考えておきましょう。

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それでも、各国の経済状態が悪化しているわけではありません。低空飛行している状況ですので、極端に株式市場が冷え込んだり、急激に円高になっていくような状況でもなさそうです。
あまり突っ込まないように、冷静に対応していただきたいと思います。
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