モニュメント証券のストラテジストであるマーク・オストワルド氏は「極めてひどい結果となった。今年最悪の入札だ」(出所:Reuter)とコメントしています。
また、サウスウェスト・セキュリティーズ(米フロリダ州フォートローダーデール)のマネジングディレクターであるマーク・グラント氏は、電子メールで「この入札は大惨事以外の何ものでもない」とし、「欧州で最強の国ですら資金調達がこのように難しいのなら、他の欧州諸国の今後の入札について考えただけでもぞっとする」(出所:Bloomberg)と語ったとのことです。
加えて、フランスの格付けもいよいよ窮地に追い込まれており、格付け会社のフィッチは「欧州の危機はフランスのAAAの格付けの脅威となるかもしれない」(出所:Reuter)との声明を出しています。
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レパトリエーションによる買いがユーロを下支えする状況は続いていますが、周辺国のみならず、フランスの格下げの可能性が高まってきたために、ユーロの上値は徐々に重くなってきました。
ユーロ/円は上値が重い状況が継続し、100円に向けて下落する展開となるでしょう。
■ヘッジファンドの売りも加わり、豪ドル/円は70円へ
欧州の債務問題をきっかけにして下落を続けているのが、新興国通貨です。
日本の投資家にも人気のあるブラジルレアルは、対米ドルでレアル安が大きく進行。米ドル/ブラジルレアルは10月31日(月)の1.6723レアルから1.8747レアルまで大きく上昇(米ドル高・レアル安が進行)しています。
また、アジアの資源国通貨の雄である豪ドルも、対円で、10月31日(月)の83.96円を高値に反落しており、本日、11月24日(木)のアジア市場では節目の75.00円を割り込み、一時は74.79円の安値をつけています。
つまり、わずか3週間強で約9円の暴落となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
欧州の債務問題はいっこうに解決のメドが立たず、グローバルな投資家がリスク回避に動く中、新興国通貨や資源国通貨に売り圧力がかかっています。
また、11月は多くのヘッジファンドの決算月であり、彼らからの利益確定の売りも加わるため、豪ドルの上値は極めて限定的となるでしょう。
年末に向け、豪ドルに対する売り圧力は続き、豪ドル円/は70円に向かって下落するのではないでしょうか?
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