■ロウRBA副総裁が火消し役へ
スティーブンスRBA総裁のコメントで続落している豪ドルですが、これには8月の利下げ予測も影響しています。
マーケットでは、まだ8月の利下げを100%織り込んでいないため、これを織り込みに行く過程で、豪ドル/米ドルも続落していました。
そのマーケットのセンチメントに対し、7月4日(木)、唐突にロウRBA副総裁が否定的なコメントをしました。
まず、「スティーブンス総裁の発言は誤解された」とコメント。
そして「Says the board did deliberate for a very long time, but always does(スティーブンスRBA総裁は、非常に長い時間審議したと言ったが、それはいつものことだ)」というコメントもありました。
これは、7月2日(火)の会合が長時間に渡って討議されたことが、8月の利下げを連想させたのですが、そうした討議は常時、行っており、なんら特別なことではないというニュアンスが込められています。
つまり、8月の利下げを早急に織り込まれても困る、という意味でしょうか。
■スピードは落ちても下落は継続!
これにより、8月の利下げ予測は後退し、豪ドル/米ドルは一時、0.9131ドルまで反発しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 1時間足)
ただ、これは、マーケットが利下げに関して過剰に反応されても困るということで、総裁と副総裁がメディアを使ってマーケットとのコミュニケーションを図っている、というのがマーケットの一般認識です。
上記の一連のコメントから、豪ドル/米ドル下落の流れは変わりませんが、下落ピッチはもう少し緩慢になるのではないでしょうか。
今週(7月1日~)は、政策金利決定会合週間であり、ユーロや英ポンドに関しては、今晩のECB(欧州中央銀行)とBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の決定会合待ちです。
豪ドル/米ドルに関しては、RBAのスタンスに変更はなく、ロウRBA副総裁のコメントにより、下落スピードは緩やかになるも、下落は継続。
次のサポートは、以前のコラムのとおり0.9000ドルで、このレベルがブレイクできれば、次のターゲットは0.8500ドルです。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
引き続き、下落余地が拡大している豪ドルの行方に注目です。
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