■400pips下落しても豪ドルは、なお不快なほど高い!
みなさん、こんにちは。
12月2日(月)に2013年最後のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])金融政策決定会合が開催されました。
注目されたのが、スティーブンス総裁の声明。過去何度か豪ドル高に対しての牽制コメントをしており、0.91ドル近辺まで下落している豪ドル/米ドルに対して、どういうニュアンスでコメントするのかという点にマーケットの注目が集まっていたわけです。
彼の声明は、「Aussie ‘Uncomfortably High’=豪ドルは、なお不快なほど高い」。つまり、RBAが容認できないとしている0.95ドル台から400pips程度の下落では、まったく不十分であるとコメントしたわけです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
■NZドル高への牽制コメントは無視
お隣りのニュージーランドのRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])総裁も「通貨高牽制コメント」を繰り返していますが、RBNZは2014年に利上げが予測されており、そうした中央銀行の通貨高牽制コメントをマーケットは、無視しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 日足)
■資源需要の低迷なら当然豪ドルも弱含むべき!
一方、RBAは通貨高が収まらなければ、「利下げ」というカードを切る可能性が高いため、マーケットも無視できないわけです。
もともと過去数年、好調だったオーストラリア経済を牽引してきたのが、「資源需要」。現在、その資源需要が中国を筆頭に低迷しているわけですので、「当然豪ドルは弱含むべきだ」というのがRBAの考え方です。
前回のコラムで取り上げましたが、IMF(国際通貨基金)もこうした考え方を支持しており、「豪ドルが10%過大評価されている」と指摘しています。
【参考記事】
●米ドル/円はさらに上昇の可能性が濃厚!アベトレードが再開している背景とは?(11月28日、西原宏一)
■豪ドル/米ドルは、依然として0.85ドルへ向けて下落中
多くの参加者はこうした流れに逆らってまで豪ドルを買い進む理由もないため、豪ドル/米ドルは粛々と下落を続け、今週(12月2日~)は、一時0.90ドルまで反落しました。
豪ドル/米ドルは、依然として0.85ドルへ向けて下落中です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
■米ドル円は、年初来高値(103.74円)が射程距離に
一方で米ドル/円は、続伸中です。
12月3日(火)には、一時、年初来高値(103.74円)に迫る103.39円まで急騰しました。
そして、本邦勢と比較し、欧米短期筋は11月から102円~103円のオプションを仕込んでいる参加者が多く、彼らの利益確定による米ドル売りによって、その後、反落しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
前述のように年初来高値に接近した米ドル/円は、利益確定売りが入りやすく、調整局面もあるのでしょうが、反落した局面ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や本邦機関投資家の米ドル買いが出やすく、下落も限定的です。
今回の米ドル/円の急騰は、11月の米雇用統計の数字が大幅に改善したことがきっかけでしたので、12月6日(金)の米雇用統計は、いつも以上に注目が集まっています。
引き続き、豪ドル/米ドルと米ドル/円の動向に注目です。
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