■ウクライナ問題でのリスクオフのポジション調整は終了
みなさん、こんにちは。
米ドル/円は先週の米雇用統計の結果を受け、一時103.76円まで反発。
レジスタンスである104.00円は超えませんでしたが、先週は安値の
101.20円から103.76円まで250pips急騰しました。

(出所:米国FXCM)
これでウクライナ問題でのリスクオフのポジション調整も終了です。
米ドル/円は当面、101-104円での調整相場。
3月6日(木)には注目を集めたECB(欧州中央銀行)理事会が開催
されましたが、結果はゼロ回答でした。
ECBの結果を受け、ユーロ/米ドルは一時1.3873ドルまで急騰。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
■銅が急落、中国の理財商品の低迷で銅の需要が減少
今週は銅が8%も急落したことから、一時リスクオフ相場の展開と
なりました。

(出所:CQG)
なぜ銅が急落するとリスクオフになるのかの背景ですが、要因は中国。
まず、中国人の投資家が米ドルを借り入れます。借り入れた米ドルで銅を購入。その銅を売って中国人民元を買う。その中国人民元で理財商品を購入するという流れのようです。
そして、最近の理財商品の低迷が銅需要を低下させています。
逆に銅が急落すると、中国の投資家の需要が低迷しているという懸念が生じるわけです。
結果、「銅価格の下落=中国失速=豪ドル/円急落」という流れになるのです。

(出所:米国FXCM)
今週、銅価格の急落に呼応して、S&P500は急落しました。

(出所:米国FXCM)
3月12日(水)の日経平均は週末に控えたSQ(※)の影響もあったのでしょうが、あっさり腰砕けとなり、400円近い暴落を演じています。
そうしたリスクオフ相場の流れの中、一時クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は急落しました。
(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと。株価指数先物は3月、6月、9月、12月の第2金曜日、オプション取引は毎月第2金曜日がSQ算出日となっている)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)
■ユーロ/米ドルの底堅さは、ユーロ圏のデフレリスクが影響
ただ、そうした環境下においても、これまでと違い、ユーロ/米ドルの下落は限定的。
ユーロ/米ドルはリスクオフの環境下にあっても底堅さをみせています。
この背景には旺盛なユーロ圏の経常黒字に加え、デフレリスクが散見されることが指摘されています。
ユーロ圏でデフレリスク散見─IMFエコノミスト=独紙
国際通貨基金(IMF)の首席エコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏は、特にユーロ圏でデフレリスクが見られるとの考えを示した。独ハンデルスブラット紙が報じた。
同氏は翌11日に掲載予定の記事のなかで「とりわけユーロ圏においてデフレリスクが間違いなく存在する」と述べた。
域内のインフレ率は足元0.8%と、欧州中央銀行(ECB)目標の2%弱を大きく下回っている。ドラギ総裁は前週、インフレ率は低い水準が長引くほど目標水準への回帰が困難になるとの見解を示している。
(出所:ロイター)
逆に最近の米ドル/円はリスクオフの流れの中でも下げ幅は限定的。
■ユーロ/米ドルはじわじわ上昇し、1.40-1.42ドルを試すか
本稿執筆時点でのユーロ/米ドルは、節目の1.3915ドルをブレイクし、1.39ドル台ミドルまで上昇しています。
デフレリスクに直面しているユーロは、2年前の米ドル/円のようにボラティリティは低いのですが、底堅い動きを継続。
ユーロ/米ドルはまず1.4000ドル、そして、じわじわと1.4200ドルへと上昇する可能性が濃厚です。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
ボラティリティは低いものの、デフレリスクに直面し、上値余地が拡大しているユーロ/米ドルの動きに注目。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。























株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)