■株安・円高の危機感から黒田総裁と安倍総理が会談!?
4月15日(火)、安倍総理と黒田日銀総裁が昼食をともにしながら会談しました。ちょうど、日経平均がサポートラインを下抜けし、下降トレンドに入ってきそうな相場環境でしたので、ある意味、実にうまいタイミングで会談をしています。
(出所:株マップ.com)
14日(月)にロイター通信社が「月内にも会談が実現する見通し」と報道した翌日の会談ですので、最近の株安・円高状況に対しての、総理の危機感からの会談であったと考えて良いと思います。
■追加緩和が早まるのでは?との観測から円安に
黒田総裁は、あまりはっきりしたことは言っていませんが、「『必要であれば』躊躇なく追加の金融緩和に踏み切る」と発言。特に新味がある内容ではないのですが、総理と会ったということで、追加緩和が早まるのではないかとの観測を呼び、若干円安に。株価も下げ止まりました。
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■麻生大臣がうっかり!? 日経平均が急上昇!
そして、翌日の16日(水)、わが党(日本維新の会)の坂元大輔議員が財務金融委員会で麻生財務大臣に対して「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がいつごろから株を買いだすのか」と問いただしたところ、なんと麻生大臣は、「今年(2014年)の6月ぐらいから買うのではないか」と時期まで明言してしまいました。
普通、閣僚はこういったことは、はっきりと答弁するものではありませんが、それが麻生大臣らしいといえば、らしいのかもしれません。質問した坂元議員も「逆にびっくりしてしまった」と苦笑いしていました。
この発言を受けて、株価は急上昇。16日(水)の東京市場では前日比400円以上の値上がりとなりました。そして、この一連の動きを受けて、日経平均は下抜けしたサポートラインを逆に上に抜き返し、下降トレンドの突入はいったん回避されています。
(出所:株マップ.com)
■日経平均が大きく崩れることはないが…
しかし、皮肉にも、結局株価は金融緩和とか公的資金による株買いなどに支えられているだけだというのが露呈してしまったワケです。
相変わらず、外国人投資家は本格的に日本株を再び買い始めようとする姿勢は見せていないようですので、日本の株価は冴えない動きとなりそうです。
ただし、以前申し上げたとおり、日経平均は、米国の株価と円相場に大きく影響を受けていますので、あまり円高にも行きそうもない現状で、かつ、米国の株価が安定していることから、大きく崩れないとは思っています。
(出所:米国FXCM)
以上の市場環境を考えると、日経平均は大きくは崩れないものの、外国人投資家がアベノミクスに飽きている現状では、米国の株式市場に比べれば、やや弱い展開になるのではないでしょうか。
【参考記事】
●外国人投資家はアベノミクスに飽きた!日銀追加緩和期待するも気迷い相場が続く(2月20日、今井雅人)
さて、為替相場の方ですが…
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