米ドル/円は161.81円と2024年7月高値161.95円まであと一歩! FOMCがタカ派で年内利上げを織り込み始め、米ドル全面高
西原宏一(以下、トレーダー西原) 叶内文子(以下、MC叶内) みなさん、こんにちは。
トレーダー西原 それでは叶内さん、さっそく先週(6月15日〜)の株の振り返りからお願いします。
MC叶内 S&P500は0.93%高で、2週連続で小幅上昇しました。NYダウは0.7%高で週中に最高値を更新しています。ナスダック総合指数は上昇が大きく2.4%高、そして半導体株指数SOXは7.3%も上昇しています。
SOXと連動性の高い日経平均は前週末比5230円(7.9%)高の7万1250円と大幅反発。ここまで7連騰で連日の最高値更新でした。TOPIXも+4.20%で3週ぶり反発です。
米国とイランが停戦で合意、和平協議の覚書が交わされました。CNNによれば39度目の正直だそうです。ホルムズ海峡が開放されるとの期待から原油価格が下落、金利がおちつき、株式市場ではリスクオンムードとなりました。AI・半導体にからむ企業の業績の伸びへの期待が引き続き株価を押し上げています。スペースXのIPOをこなしたことも好材料でしょう。
ただし、最終合意に向けた60日間の交渉期間が始まっただけ、つまり先送りとの見方もあり、見通しには不透明感もあります。早速、週末にホルムズ海峡再封鎖との報道も流れるなど、情報は錯綜しています。
また、和平進展に覆い隠されましたが、FOMC(米連邦公開市場委員会)でタカ派姿勢が示されると6月17日(水)にはハイテク株が急落する場面もありました。ケビン・ウォーシュ新議長は自身の「ドット」を提出せず、声明文は量が半分になり、情報発信のあり方が変わることも明らかになっています。今後は経済指標が出るたびに右往左往するかもしれません。
なお、日銀は追加利上げと国債買い入れ減額の停止を決めました。ほぼ報道どおりで、内田副総裁の会見ともども市場にサプライズは与えなかったようです。
為替市場はいかがでしたか。
トレーダー西原 まず日銀会合(日銀金融政策決定会合)ですが、誘導目標金利をコンセンサスどおり1.00%に引き上げました。利上げは2025年12月以来、4会合ぶりです。
中東情勢の影響による経済の悪化リスクよりも、原油高に伴う物価上昇インフレリスクの高まりを重視し、利上げによるインフレ抑制が必要と判断したとの事。
注目の国債買入計画に関しては、2027年3月まで毎四半期2000億円程度ずつ減額するとした、現行計画のペースの維持を決定。同年1~3月の月間買い入れ額は2.1兆円程度となる予定。同年4月以降は月間2兆円程度の買い入れを行うとし、事実上の減額停止を決めています。
利上げは引き締めですが、こちらは緩和的な措置。これで円安が進行しています。
一方、注目のFOMCが日本時間6月18日(木)未明に開催されました。誘導目標金利はコンセンサスどおり、3.50~3.75%で据え置きでした。
前回会合までは、市場が「次の政策変更は利下げの可能性が高い」と解釈してきた表現を掲載していました。
しかし、今回は声明文から今後の金融政策運営の方向性に関する文言を削っています。そして、パウエル前議長が仕切った4月末の会合時に公表した声明文と比べて、分量はおよそ半分になっています。
マーケットが予想していたように十分タカ派的な内容であり、OIS(翌日物金利スワップ)では、年末までに1.5回の利上げ(利下げではなく)を織り込み始めました。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は162.00円のバリアオプションが介入警戒水域だが、押し目買い! 「米国例外主義」トレード復活による米ドル高継続で、介入は米ドルの押し目と認識されそう(6月18日、西原宏一)
米ドルは全面高。ユーロ/米ドルは節目の1.1500ドルを割り込んできました。
米ドル/円も一時161.81円と2024年7月3日(水)の161.95円にあと一歩のところまで急騰しました。米ドル/円の展望に関しては後ほど。
それでは叶内さん、今週(6月22日~)のイベントと株の注目点をお願いします。
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米ドル/円は162円の攻防に注目しつつロング継続! 介入第2弾が効かなければ、当局みずから底堅さを証明してしまうことに
MC叶内 まず、米国とイランの間の覚書に盛り込まれたホルムズ航行正常化などの進展を見極める必要があります。原油先物は76ドル台で停滞していて、不安を表しているようです。
もうひとつの今週の焦点は、AI向け最先端メモリ半導体のマイクロンの決算発表です。日本時間6月25日(木)寄り付き前の予定です。脅威的な粗利益率(約80%超)が続いているのか、経営陣は需要ひっ迫がいつまで継続するとみているかなど、注目ポイントが多いです。
株価はすでに今年(2026年)、3.6倍程度になっています。期待が高いだけに、発表後の株価の反応も気になります。AI・半導体相場への波及もあるでしょう。
経済指標などは、海外では6月23日(火)発表のユーロ圏・米国のPMI、6月24日(水)の米1~3月期経常収支、新築住宅販売、6月25日(木)の米5月個人消費支出(PCE)物価指数、6月26日(金)の6月ミシガン大消費者信頼感(確報)が注目です。特にインフレ指標、家計の長期インフレ予想が重要でしょう。
国内では、6月23日(火)の製造業PMI、5年債入札、6月24日(水)の5月企業向けサービス価格指数、6月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、6月25日(木)の20年債入札、6月26日(金)発表の6月東京都区部CPI(消費者物価指数)に注目です。また、6月26日(金)は株主総会の集中日で、アクティビストの提案やその対応などが出てきそうです。
上述のマイクロンのほか、米国で6月23日(火)にフェデックスとカーニバルが決算を発表。国内では6月22日(月)にあさひ、6月26日(金)に西松屋チェーン、壱番屋など消費関連の決算発表があります。
為替市場の見通しはいかがですか?
トレーダー西原 戦闘終了の可能性の高まりにもかかわらず、先週のFOMCがタカ派だったことから、米金利は底堅く推移。これに呼応して米ドル全面高が続いています。
米ドル/円のレジスタンスは2024年7月3日(水)に到達した161.95円。162円を実際に上抜けると、チャート上は上値目標が大きく拡大します。
162円超えは1986年、つまり約40年ぶりの水準に踏み込む可能性が高いため、マーケットで注目を集めているのです。

(出所:TradingView(トレーディングビュー))
もちろん政府・日銀もその意味は分かっているでしょうから、介入の可能性はあります。
ただ、米ドル全面高の中での米ドル売り介入は効果が限定的なため、今回は介入に踏み切らない可能性のほうが高いと考えています。
怖いのは介入が効かなかった場合。もし第2弾の介入も効かないとなると、当局みずから米ドル/円の底堅さを証明してしまうことになるため、そちらのほうが危険ということになります。
162.00円の攻防に注目しながら、米ドル/円のロングを継続します。
トレーダー西原 MC叶内 それでは、今週も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!
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