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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

米ドル/円の162円超えに期待! 162円に巨大なバリアオプションはあるが、162円超えのストップロス注文も増えてきた。6月下旬〜7月上旬は例年、株価が重くなりやすい

2026年06月29日(月)14:30公開 (2026年06月29日(月)14:30更新)
西原宏一&叶内文子

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米ドル/円は161円台で値幅が1円もない高値圏の膠着相場に。世界的にAI関連を中心としたテック株が急落

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) ​みなさん、こんにちは。

トレーダー西原 それでは叶内さん、さっそく先週(6月22日〜)の株の振り返りからお願いします。

MC叶内 ​日経平均は3000円高して最高値を更新した翌日に3000円安するといった高値波乱の展開でした。結局週末は前週末比1889円(2.7%)安の6万9360円と、2週ぶりの下落となっています。

 S&P500は5日続落し、週間では1.95%安、3週ぶりに下落。ナスダック総合指数は4.6%安と大幅反落。一方、NYダウは0.6%高と小幅ながら続伸です。

 6月23日(火)に世界的にAI関連を中心としたテック株が急落しました。世界トップのパフォーマンスだった韓国KOSPIが9.99%急落。サムスン電子・SKハイニックスが12%超の下落となりました。背景として、韓国当局が半導体株に連動するレバレッジ型ETF(上場投資信託)が値動きを増幅させていることに警戒感を示したことがあげられています。これをきっかけに、日本でも半導体関連が売られ、米SOXも大きく下げました。

 6月24日(水)に米半導体メモリ大手マイクロン・テクノロジーが超好決算・強い見通しを発表。これを受け、市場心理はいったん急速に改善したものの、メモリ価格の高騰がハイパースケーラーなどに及ぼす影響が懸念され始めました。メモリ価格の急騰により、AppleはMacやiPadの価格を引き上げると発表、マイクロソフトもXboxの値上げを発表しています。スペースXが社債発行で資金調達を行うと発表していたことも各社の資金負担の増加をイメージさせました。

 6月25日(木)にOpenAIがIPOを来年(2027年)に延期する方向で検討中とニューヨーク・タイムズが報道したことも、ハイテク株への売り圧力になりました。SKハイニックスが「HBM4の生産速度を調整する」との報道も、AI関連投資の熱気に冷や水を浴びせた格好となったようです。(ただ、HBMについてはエヌビディアの新製品Vera Rubinの歩留まりがあがっていない(※)ためもあるのではないかとも思いますが……)

(※「歩留まりがあがっていない」とは、投入した原材料に対して、完成した良品の割合が目標値に達していない、あるいは生産効率が改善されていないこと)

 イラン・米国の和平協議が進展をみせ、原油価格が大きく下落したことで景気敏感株が買われ、NYダウの支えとなっています。中小型株の指数ラッセル2000は週間で1%高、最高値を更新しています。

 為替市場はいかがでしたか。

トレーダー西原 先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けて、金融市場は株高・債券安・米ドル高の流れ継続(株は週末下落しています)。

 米2年債利回りが一時4.2342%と約2回の利上げを織り込むレベルまで上昇。つれて、ユーロ/米ドルは年初来安値の1.1414ドルを割り込んで急落しました。

 ただ、一気に2回の利上げを織り込むほどの金利の急騰は、オーバーシュートであり、米金利はじわじわと反落。それにつれ、ユーロ/米ドルも一時1.1434ドルまで反発。結局、1.1384ドルと節目の1.1400ドル以下の水準で週末は引けています。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView(トレーディングビュー))

 米ドル/円も同様です。米2年債利回りの上昇とともに、米ドル/円も一時、2024年高値161.95円まで上昇。しかし、今回も162.00円の巨大なバリアオプションを崩せません。崩せない理由は、政府・日銀の介入懸念が払拭できないため。

 ただ、米ドル/円の調整による押し目も極めて限定的。これは何度かご紹介しているように、米ドルの手当てが遅れている事業法人の米ドル買いが待っていることも大きい。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は162円決壊間近! 介入を待てない事業法人の米ドル買いが増加し、8万円目指す日経平均を追いかけそう。米金利・FRBの独立性・米経済優位性で米ドル全面高(6月25日、西原宏一)

 結局、週をとおして米ドル/円は161円台という値幅が1円もないという膠着相場ですが、高値圏内での推移を維持したまま週を終えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 米ドル/円の展望に関しては後ほど。それでは叶内さん、今週(6月29日~)のイベントと株の注目点をお願いします。

米ドル/円をロング! 162円にバリアはあるが、162円超えにストップも増え、そろそろ抜けてほしいところ

MC叶内「AIブーム」の継続性に対しての市場の見方がどう揺れるのかが最大のポイントでしょう。

 6月末に向けての需給面からのマイナスや、急騰後の調整もあったでしょうが、IPO延期報道など根本的な不安にもつながる材料があっただけに、7月以降の資金の流れを慎重に見ておきたいです。

 先週は、日米ともに指数は下落しても、値上がり銘柄のほうが多い日がありました。これをきっかけに出遅れ銘柄に物色がうつるとの見方もあります。

 今週は重要指標も多いですが、米国は7月4日(土)が独立記念日、建国250周年のイベントが各地で開かれるそうです。7月3日(金)が振替休日で休場となります。

 米国では7月2日(木)に6月雇用統計が発表されます。6月30日(火)の米5月JOLTS求人件数、7月1日(水)の米6月ADP雇用統計と、雇用関連の指標に注目です。そのほか、6月30日(火)に米6月消費者信頼感指数、4月S&Pケースシラー住宅価格指数、7月1日(水)に米6月ISM製造業景況指数も発表されます。

 7月1日(水)に、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)見直しのオンライン会合が予定されています。

 国内では、7月1日(水)発表の6月日銀短観が注目です。設備投資計画の上乗せ幅はどのくらいになっているかを見たいです。また中東情勢の影響度合いもわかるはずです。そのほか、6月30日(火)に5月失業率・有効求人倍率の発表、5月鉱工業生産、2年債入札、7月2日(木)に10年債入札があります。

 決算発表は、6月29日(月)のしまむら、6月30日(火)のJ.フロントリテイリング、高島屋などで消費動向をチェックすることになります。

 為替市場の見通しはいかがですか?

トレーダー西原 今週の最大のイベントは日本時間火曜(6月30日)未明のブラジル戦。みんなで早起きして応援しましょう!(笑)

 さて、イラン戦争はさすがに停戦ムードが高まっていましたが、週末に事態が一変しています。

 米中央軍(CENTCOM)は土曜日(6月27日)、2日連続でイラン国内の複数目標への「攻撃」を実施したと発表しました。これは、イランがホルムズ海峡を航行するタンカーを攻撃したことへの対応とみられます。

 攻撃対象は、イランの軍事監視インフラ、通信システム、防空施設、ドローン保管施設、機雷敷設能力など。これにより、6月17日(水)の停戦合意が危機に瀕しています。

 ただ、戦局は二転三転するので、週末のメルマガ配信では「月曜朝にはまた状況が変わっているかもしれませんが、現時点での戦局として配信しておきます」と断って配信しました。

 そして、結局懸念どおり、月曜早朝に戦局が変わっています。


米イランが攻撃停止で合意 週末は攻撃と威嚇を応酬、覚書署名後で最も緊張高まる
米国とイランは相互への攻撃を停止し、ホルムズ​海峡を巡る対立に関する協議を30日にカタールの首都ド​ーハで再開する予定だという。米ニュースサイトのアクシオスが28日、米政府高官の話として報じた。
(出所:ロイター)


 両者とも停戦したい意向のはずですが、停戦合意がなされてもどうも脆弱で、二転三転しています。ただ、こういうことを繰り返しながら、最終的には停戦に持ち込まれるのだろうと想定しています。

 マーケットはイラン戦争の行方を十分織り込んでいるため、この報道による大きな影響はありません。

 気になるのが機雷の問題です。


日本郵船の曽我貴也社長は、米国とイランとの和平の取り決めが維持されたとしても、機雷が存在する限り、エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡の海上輸送は、イラン戦争開戦前の半分に届かない状況が数カ月続くとの見通しを示した。
曽我社長は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、イランとオマーンに近い海峡のより安全な航路は輸送能力の制約があり、はるかに少ない量でしか再開できないだろうと説明。「通航可能な航路は極めて限られている。ホルムズ海峡が封鎖前の状態に戻るには程遠い」と語った。
(出所:Bloomberg)


「ホルムズ海峡が封鎖前の状態に戻るには程遠い」のであれば、グローバルなインフレはなかなか収まらないということになります。

 一方、マーケットで話題になっているのが、明日が半期末であるということ。

 6月末は半期末であり、年金などによるリバランスの株売りが入りやすい時期です。加えて、7月8日(水)〜10日(金)頃はETF配当金捻出に伴う日本株売却もあり、6月下旬〜7月上旬は例年、株価が重くなりやすい時期になっている点が気になります。

実際に調整が起きるのであれば、この時期が株をロングにするチャンスとなるかもしれません。

 ともあれ、短期での株安は「リスクオフ=クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)下落要因」ですが、米金利が底堅いため、米ドル/円を含め米ドル全体が底堅いのではと想定しています。

ポジションは米ドル/円のロングのみ。162.00円のバリアもありますが、162.00円超えのストップロス注文も増えてきたので、そろそろ抜けてほしいところです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

トレーダー西原MC叶内 ​それでは、今週も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!


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