■ソフトバンクは過去にスプリント買収で巨額の米ドル買いも
アベノミクスの初動を振り返ってみると、もちろん、日銀の追加緩和期待の高まりが米ドル/円を大きく押し上げたわけですが、ソフトバンクによる米スプリント買収における巨額の米ドル買いもマーケットを大きく押し上げました。
【参考記事】
●孫正義氏がティファニー銀座ビルを購入! 脱デフレ、円安継続でドル/円は再上昇か(2013年10月3日、西原宏一)
今回の相場も、米ドル/円の重要なサポートであるアベノミクス相場の高値と安値の50%戻し水準の100.60円を死守できるかどうかという局面で、突然、ソフトバンクが現れ、前回以上の巨額な円売りがマーケットに投入され、100円で底打ちさせることに成功しています。
【参考記事】
●トルコクーデター鎮圧で有事の円高ならず。孫社長の英企業3.3兆円買収でポンドは!?(7月19日、西原宏一&大橋ひろこ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■日銀会合に向け、米ドル/円は110円台回復へ
ソフトバンクによる巨額の英ポンド買いにより、英ポンド/円のトレンドも大きく変貌。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 4時間足)
TDシーケンシャル(TD Sequential)では、底打ち(ボトムアウト)を示唆するカウントダウンの13を点灯し、トレンドの反転を示唆。
この巨額の円売りが、米ドル/円の105.00~107.00円に断続的に並んでいた本邦輸出企業の米ドル売りを飲み込む形で、今週(7月18日~)の米ドル/円は上昇を続けています。
この米ドル上昇をテクニカル分析でチェックすると、下記のような重要なレベルを次々と突破してきたことがわかります。
(1)106.57円=アベノミクス相場の38.2%戻し
(2)106.73円=200週移動平均線
(3)106.84円=英国国民投票時の高値
【参考記事】
●麻生財務相の口調強く、介入の可能性も!? 豪州利下げで、豪ドル安の行方にも注目!(5月10日、西原宏一&松崎美子)
●英国民投票締切り直後の調査会社発表でEU残留が52%と僅差優勢。ポンド急騰!
この中で最重要なのが、200週移動平均線が位置している106.73円。
このレベルを週足ベースで維持できれば、来週、7月28日(木)~29日(金)に開催される日銀金融政策決定会合に向けて、米ドル/円は110円台回復が期待できます。
(出所:CQG)
アベノミクス反撃の兆しに加えて、ソフトバンクによる「IoTの大型買収」の追い風。
【参考記事】
●ヘリコプターマネーの憶測でアベノミクスに反撃の兆し? ドル/円は107円が焦点!(7月14日、西原宏一)
110円台回復に向け、続伸を続ける米ドル/円の行方に注目です。
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