■本邦機関投資家の「英ポンド買い・円売り」が入る
その背景には、本邦機関投資家の存在が大きく影響しているとウワサされています。
メイ英首相が解散総選挙を目指すと表明した、4月18日(火)の欧米市場では、本邦の機関投資家が断続的な「英ポンド買い・円売り」をマーケットに持ち込み、英ポンド/円は一時、140円台まで回復。
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彼らは、英ポンド/円のみならず、その他のユーロ/円を除くクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、そして米ドル/円でも円売りを持ち込んでいる展開。
本邦機関投資家は、今回のメイ英首相の決断をゲームチェンジャーとして、英ポンド/円のヘッジ外し(英ポンド買い・円売り)を開始。
■英ポンド/米ドルは200日移動平均線を上抜け
前述のように、本邦機関投資家は米ドル/円でもヘッジ外しを再開している模様。
そして、この文脈においては、4月23日(日)にフランス大統領選挙が無事に通過すれば、ユーロ/円の買いも持ち込む可能性が高いのではないかと推測しています。
ともあれ、英ポンド/米ドルは久しぶりに200日移動平均線(=1.2620ドル)を上抜いて、続伸の可能性が高まっています。
(出所:Bloomberg)
■欧米のトレーダーは英ポンドクロスに注目
本邦機関投資家が英ポンド/円に注目する中、欧米のトレーダーは英ポンド/米ドルと英ポンドクロスに注目。
彼らにとって、対円である英ポンド/円は東アジアの混乱が収まらない限り、円高リスクが残っているのでを避けたいところ。
そこで、彼らが注目したのが英ポンド/豪ドルや英ポンド/NZドルといった対オセアニア通貨。
仮にマーケットがリスクオフに傾斜した時は、資源国通貨であるオセアニア通貨が真っ先に下落すると想定しているのがその背景。
たとえば、JPモルガンは、英ポンド/豪ドルのロングを推奨。
ターゲットは1.7290豪ドル。
(出所:Bloomberg)
英ポンド/NZドルのロングを推奨しているのがモルガン・スタンレー。
ターゲットは1.8700NZドル。
(出所:Bloomberg)
今週末、4月23日(日)のフランス大統領選挙第1回投票から、市場ではイベント満載ですが、これらの通貨ペアがこうしたイベントをうまく乗り越えられるのかに注目。
本邦機関投資家のヘッジ外しにより、反発を開始した英ポンド/米ドルと英ポンドクロス。そして、米ドル/円の108.00円の攻防に注目です。
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