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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

円安トレンド回帰で米ドル/円は118円へ!
続落サイン点灯!? ユーロ/英ポンドに注目

2017年09月28日(木)15:34公開 (2017年09月28日(木)15:34更新)
西原宏一

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■BOEの利上げ観測高まり、ユーロ/英ポンドは下落

前回のコラムでご紹介させていただいたように、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の利上げ観測の高まりで英ポンドは大きく反発

【参考記事】
円高終焉でドル/円急反発! 続伸のカギを握るのは160円に向けて上昇するポンド/円(9月21日、西原宏一)

 これにより、ユーロ/英ポンドの下落が加速しています。

 そのユーロ/英ポンドですが、英ポンドの上昇だけではなく、ユーロの上値が重くなっていることで、下落がさらに鮮明に。

ユーロ/英ポンド 4時間足
ユーロ/英ポンド 4時間足

(出所:Bloomberg)

■ドイツ総選挙を受けてユーロ/米ドルは下落

 そして、1.2000ドルレベルで上げ渋っていたユーロ/米ドルですが、今週(9月25日~)に入って下落トレンドを鮮明にし、一時1.17ドル台前半まで下落

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 きっかけは、ドイツの総選挙でした。

 ドイツの総選挙の結果に関しては大方の見方どおりで、サプライズはなかったのですが、このところの為替市場は、フランス大統領選、そして北朝鮮の建国記念日といったように、大きなイベントを消化したあとのマーケットは、大きくその方向性を切り返す傾向があります

 フランス大統領選後は、ユーロが反発。

 北朝鮮の建国記念日の後は、米ドル/円が反発。

 そして、今回のドイツの総選挙を終えてから、ユーロ/米ドルは下落傾向を鮮明にしています。

■ユーロ/米ドル下落の影響を受ける、ユーロ/英ポンド

 その影響を大きく受けているのが、ユーロ/英ポンド。

 ハードBrexit(英国のEU離脱)懸念での英ポンド安と、ECB(欧州中央銀行)のテーパリング(※)予測を背景に続伸していたユーロ/英ポンドですが、2016年10月高値である0.9415ポンドを超えられず…。

(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

8月29日(火)高値となる0.9306ポンドで反落し、ダブルトップを形成しました。

ユーロ/英ポンド 日足
ユーロ/英ポンド 日足

(出所:Bloomberg)

 TDシーケンシャル(※)の日足ではセットアップフェーズを20までカウントするという極端なオーバーボートを形成してから、9月14日(木)のBOEのタカ派なコメントも加わり、下落余地が一気に拡大しています。

(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)

 デマークの教科書的には、上昇トレンドの終焉、もしくは深い調整に入ることを意味します。

 直近のユーロ/英ポンドは、サポートラインが位置している0.8747ポンドで止められていますが、このレベルをブレイクすると下落トレンドが鮮明となります

ユーロ/英ポンド 週足
ユーロ/英ポンド 日足

(出所:Bloomberg)

 目先のターゲットとしては、4月18日(火)高値となる0.8314ポンド

 118円に向けて上昇中の米ドル/円と、トレンドを切り返して下値余地が大幅に拡大しているユーロ/英ポンドの動向に注目です。


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