■BOEの利上げ観測高まり、ユーロ/英ポンドは下落
前回のコラムでご紹介させていただいたように、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の利上げ観測の高まりで英ポンドは大きく反発。
【参考記事】
●円高終焉でドル/円急反発! 続伸のカギを握るのは160円に向けて上昇するポンド/円(9月21日、西原宏一)
これにより、ユーロ/英ポンドの下落が加速しています。
そのユーロ/英ポンドですが、英ポンドの上昇だけではなく、ユーロの上値が重くなっていることで、下落がさらに鮮明に。
(出所:Bloomberg)
■ドイツ総選挙を受けてユーロ/米ドルは下落
そして、1.2000ドルレベルで上げ渋っていたユーロ/米ドルですが、今週(9月25日~)に入って下落トレンドを鮮明にし、一時1.17ドル台前半まで下落。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
きっかけは、ドイツの総選挙でした。
ドイツの総選挙の結果に関しては大方の見方どおりで、サプライズはなかったのですが、このところの為替市場は、フランス大統領選、そして北朝鮮の建国記念日といったように、大きなイベントを消化したあとのマーケットは、大きくその方向性を切り返す傾向があります。
フランス大統領選後は、ユーロが反発。
北朝鮮の建国記念日の後は、米ドル/円が反発。
そして、今回のドイツの総選挙を終えてから、ユーロ/米ドルは下落傾向を鮮明にしています。
■ユーロ/米ドル下落の影響を受ける、ユーロ/英ポンド
その影響を大きく受けているのが、ユーロ/英ポンド。
ハードBrexit(英国のEU離脱)懸念での英ポンド安と、ECB(欧州中央銀行)のテーパリング(※)予測を背景に続伸していたユーロ/英ポンドですが、2016年10月高値である0.9415ポンドを超えられず…。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
8月29日(火)高値となる0.9306ポンドで反落し、ダブルトップを形成しました。
(出所:Bloomberg)
TDシーケンシャル(※)の日足ではセットアップフェーズを20までカウントするという極端なオーバーボートを形成してから、9月14日(木)のBOEのタカ派なコメントも加わり、下落余地が一気に拡大しています。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
デマークの教科書的には、上昇トレンドの終焉、もしくは深い調整に入ることを意味します。
直近のユーロ/英ポンドは、サポートラインが位置している0.8747ポンドで止められていますが、このレベルをブレイクすると下落トレンドが鮮明となります。
(出所:Bloomberg)
目先のターゲットとしては、4月18日(火)高値となる0.8314ポンド。
118円に向けて上昇中の米ドル/円と、トレンドを切り返して下値余地が大幅に拡大しているユーロ/英ポンドの動向に注目です。
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