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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

「有事のドル買い」で米ドル/円も上昇しているが、介入
を警戒して積極的な高値追いは想定しにくい。最弱の円が
持ち直し、クロス円における円売りも一服か

2026年03月06日(金)18:46公開 (2026年03月06日(金)18:46更新)
陳満咲杜

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中東有事によって短期スパンでは米ドル高が進む可能性!
米ドル安一辺倒のシナリオは通用しなくなったとみる

 中東有事で為替市場における基調が変りつつある。結論から申し上げると、短期スパンにおける米ドル高の余地が示唆されている。

 ドルインデックスの日足を観察すればわかるように、2026年3月3日(火)にいったん99.68をトライし、1月高値の99.49をいったん更新した。昨日(3月5日)の切り返しもあって、1月安値を起点とした切り返しの延長、または大型化が見えてきた。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 となると、1月26日(月)からの1週間、安値を更新していたにもかかわらず、高く大引けしたから、週足では典型的な「底打ち」のサインと見なせる。

ドルインデックス 週足
ドルインデックス 週足チャート

(出所:TradingView

 もちろん、「底打ち」といっても当面の間という制限があるが、少なくとも米ドル安一辺倒のシナリオが目先では通用しなくなった

 同サインはいわゆる「スパイクロー」(プライスアクションの視点)であって、形成された時点においては実は、底打ちを示唆するサインとして認定できなかった。1月高値をブレイクしてから正式に認定できたわけで、これからまず、昨年(2025年)11月高値の100.39まで戻る可能性が示唆される。

 もちろん、1月高値に対するブレイクが「ダマシ」であった可能性もあるものの、客観的な見方として、目先は米ドル全体の上値余地に注目したい。

金(ゴールド)が買われていないうちに米ドルだけが買われたから、少なくとも短期スパンにおける米ドル高は本物か

 もっとも、「有事の米ドル買い」あるいは「有事の米ドル高」と言われるが、有事でも米ドルが必ず買われるという保証はない。が、今回は有事でも金(ゴールド)は買われていないから、「有事の米ドル買い」が成立したと思われるわけだ。

金(ゴールド)価格 日足
金(ゴールド)価格 日足チャート

(出所:TradingView

 換言すれば、金が買われていないうちに米ドルだけが買われたから、少なくとも短期スパンにおける米ドル高は本物になりそうである、ということだ。

 なにしろ、金は究極のリスク回避先として見なされてきたから、金より米ドルの需要が高いなら、その需要の中味がどうであれ(米ドルショートポジションの決済も「米ドル買い」である)、しばらくトレンドを維持できるはずだ。

米ドルの対極であるユーロはしばらく弱含みの展開に!
クロス円の高値を追うべきではない

 ゆえに、米ドルの対極として存在するユーロは、しばらく弱含みの展開になるだろう。3月3日(火)にていったん1月安値(下記チャートの緑矢印)を下回ったから、これからも続落しやすく、場合によってはいったん昨年(2025年)11月安値(≒1.1470ドル)を再度トライ、という市況も覚悟しておきたい。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 米ドル全体の上昇とリンクして、米ドル/円も上値を打診している。いったん2月9日(月)の高値(下記チャートの緑矢印)を突破し、さらなる高値打診があっても自然な成り行きだと思われるが、日本当局の介入を危惧する向きが多く、積極的な高値追いという市況は想定しにくい

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 ゆえに、すでに「ダブル・トップ」の構造を示したユーロ/円が、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の代表格として、外貨高・円安の一服を正式に示唆しているのではないかと思う。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:TradingView

 ここから上放れよりも下放れしやすい位置におり、クロス円の高値を追うべきではないとみる。

 「有事の円買い」がとっくの昔の話しとなり、今回の中東有事をもって円の弱さが再度証明されたが、「有事の米ドル買い」が健在だからこそ、クロス円における円売りが一服してくるわけだ。

 そうなると、「最弱の円」でも持ち直しのチャンスを与えられ、ユーロ/円をはじめ、主要クロス円における頭打ち、また反発(外貨安による円の買戻し)してくれば、やがて米ドル/円にも波及し、米ドル/円の頭を抑え込むのではないかと思う。

 皮肉にも、「有事の円」にはまったく期待できないが、有事だからこそ円売りが終焉する可能性がみえてきた。市況はいかに。

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