■リスクは北朝鮮と日米通商交渉
その上で、リスクについても考えてみます。まずは、北朝鮮です。
最近の報道では、北朝鮮が米国に対して、再び攻撃的な発言をしています。
6月12日(火)に予定されている米朝首脳会談が破談ということになれば、地政学リスクを意識して、リスクオフの市場になる可能性があるので、注意しておきたいです。
2つ目は、日米通商交渉です。
この問題は、深刻化する可能性があると、ずっと考えてきましたが、リスクはかなり、先送りになっているというところです。
鉄鋼とアルミニウムへの関税は、日本は適用が除外されてはいないものの、その金額は相対的に小さいため、これを放置しておくこと自体は、日本経済にとって大きな影響はありません。ですから、これから時間をかけて交渉していくことになります。
■参考になるのは米韓FTA。大きく円高になる可能性も…
その日米通商交渉にあたって参考になるのは、米韓FTA(自由貿易協定)の見直しです。
見直されたFTAでは、自動車市場で米国の要求を取り入れる韓国側の譲歩があったほか、付帯協定として為替条項が設けられました。
つまり、韓国が意図的に韓国ウォン安に誘導しようとすることを、規制する内容となっているのです。
米国が定期的に発表している為替報告書では、円はまだ、円安だと指摘しています。
(出所:Bloomberg)
今後の交渉次第では、大きく円高になる可能性が、依然として残っていますので、やや中長期的な懸念材料として、頭に入れておきたいと思います。
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