■米中貿易戦争はさらにエスカレート
みなさん、こんにちは。
今週(9月17日~)も米中貿易戦争は収まるどころか、エスカレートするばかり。
【参考記事】
●トランプ政権の対中通商政策で右往左往。米ドル/円が112円台まで上昇した理由は?(9月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
トランプ政権は、中国製品2000億ドル相当へ10%の関税を課すと発表。
これに対して、中国が報復。米国製品600億ドル相当を対象に、最大10%の関税を9月24日(月)から課すことを決定しました。
7月頃までは、この事態に対し、「米中貿易戦争」という表現は誇張され過ぎており、「米中貿易摩擦」が正しいとの報道も見受けられました。
しかし、今月(9月)に入ってからの米国と中国のパンチの応酬を見ていると、「米中貿易戦争」という表現こそがふさわしいという展開になっています。
ただ、政治から金融市場に視点を移すと、米中貿易戦争がエスカレートしているにもかかわらず、上海総合指数は下げ渋り、反発傾向にあります。
(出所:Bloomberg)
前回のコラムでご紹介させていただいたとおり、日足のデマーク(※)インディケーターが上海総合指数の反発を示唆。
(※編集部注:「デマーク」とはTDシーケンシャルなどのテクニカル指標を開発したトーマス・R・デマーク氏のこと)
【参考記事】
●デマークチャートでダブル13が点灯! 豪ドルと中国株に短期反発の兆しアリ!(9月13日、西原宏一)
そのサインどおりに上海総合指数は、2016年1月の2638ポイントをかろうじてサポートし、本稿執筆時点では2700ポイント台を回復しています。
先週(9月10日~)からの報道では、中国にとって、なんらグッドニュースが出たわけではありませんが、今週(9月17日~)に入ってからの、一連の米中貿易戦争の報道が予想されたものであったため、悪材料が織り込み済みとなり、上海総合指数が反発に転じたと想定されます。
(出所:Bloomberg)
こうした加熱するマーケットに対し、デマークインディケーターが発するシグナルは有効であるケースが多いのですが、それは、今回も同様だったという結果に。
■中国株反発で、オセアニア通貨も大きく買い戻し
上海総合指数の反発に呼応し、豪ドルも反発。
豪ドル/米ドルは、0.7085ドルの安値から0.7275ドルまで反発。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
豪ドル/円は、78.68円から81.66円まで急反発。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
ユーロ/豪ドルは、1.6354豪ドルから1.6053豪ドルまでとあっという間に300pips豪ドル買いが進みました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 4時間足)
以下は、2018年9月13日(木)~20日(木)までの、対米ドルの騰落率です。
(出所:BloombergのデータよりザイFX!編集部が作成)
先週(9月10日~)から今週(9月17日~)にかけて、NZドルや豪ドルが大きく買い戻されているのがわかります。
ただ、問題は、この動きが継続するかどうかです。
目先の中国株の反発とは裏腹に…
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