■日米通商交渉の影響は先送りに
2つ目は、日米の通商交渉の行方です。
今週(9月24日~)、安倍総理と茂木経済財政担当大臣が訪米し、米国政府との交渉のテーブルにつきました。
安倍総理は、26日(水)に行われた日米首脳会談後の記者会見で、「TAG(日米物品貿易協定)の交渉開始で合意した」と発言しています。
日米通商交渉では、日本側はTAGの交渉開始で合意したと発表したが、米国側からは違った説明が…。ただ、今後も協議が継続していくのは間違いなさそう。写真は2018年4月の日米首脳会談時のもの (C)Joe Raedle/Getty Images
安倍総理によると、TAGは、これまで日本が結んできた包括的なFTA(自由貿易交渉)とは、まったく異なるとしています。
しかし、米国のライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表は、日本とは完全なFTAの締結を目指すと発言しています。
その上で、まず、関税に関する協議を今後、数カ月の間に決着をつけ、その後、第2弾に進むと説明しています。
つまり、日本側の説明と米国側の説明に、ズレがあるわけです。
政治の世界ではよくある、「それぞれの国が自国向けに都合のいいように解釈して発言する」、その典型です。
ただ、どちらの側に立ったとしても、向こう数カ月間は交渉が継続し、結論はその後ということになるため、この問題の金融市場への影響は、先送りされたということです。
当面、この話題は、市場では聞こえなくなってくるかもしれません。
■米ドル/円は押し目買いのチャンス待ち
こうした環境の下で、緩やかなリスクオンの動きが継続しているということでしょう。
米ドル/円に関して言えば、当面の目標であった113円台に、いったん到達しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ここでは、達成感から利食いの売りが集中するのではないかと考えていましたが、大体、そのような展開となっています。
ただ、一時的に達成感が出ただけであって、大きな方向が変わったわけではありません。中期的にはまだ、米ドル/円は上方向に向いていると考えています。
(出所:Bloomberg)
いったん、ロング(=買い)ポジションを決済した後も、米ドル/円での押し目買いのチャンスを狙っていきたいと思います。
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