■12月総選挙に向けて、ブレグジット党が不安要素に
次は、英国。
12月12日(木)に総選挙が開かれる英国では、11月6日(水)未明、議会が解散され、5週間の選挙戦が始まりました。
ボリス・ジョンソン首相は、同日、バッキンガム宮殿を訪問し、エリザベス女王に選挙活動期間の開始を伝えています。
ジョンソン首相は、自分こそ「ブレグジットを実現できる」と主張し、ブレグジット協定について膠着状態に陥っている議会の刷新を目指しています。
こうした選挙戦の中、注目はブレグジット党の存在。
今回の総選挙は、ジョンソン首相が目論んでいた「合意に基づいた離脱」を実現してからの総選挙ではなく、総選挙が先に行われることになっため、ブレグジット党の存在が話題になっているわけです。
【参考記事】
●NYダウ史上最高値に迫るもバブル懸念…。もしバーストすれば、ドル/円105円割れへ(11月4日、西原宏一&大橋ひろこ)
ブレグジット党は、ジョンソン首相と同じく、早期のブレグジットを訴えていますが、ブレグジット党のファラージュ氏は英国の主権を守る立場から、より強硬な「合意なき離脱」を主張。
ジョンソン首相は、北アイルランドの関税手続きは当面、EU(欧州連合)ルールに従うとしましたが、この離脱協定案を「これは、離脱ではない」と非難しています。
写真はブレグジット党のファラージュ党首。ブレグジット党は英国の主権を守る立場から、より強硬な「合意なき離脱」を主張している (C)Leon Neal/Getty Images
■英ポンドは、目先1.30ドルレベルを高値に調整入りも
そして、下記が先週(10月28日~)末のブルームバーグの記事。
為替トレーダーの最大の不安「ブレグジット党」-労働党党首でない
英国で12月に行われる前倒し総選挙を注視するポンドの為替トレーダーらは、最大野党・労働党のコービン党首の社会主義的政策よりもナイジェル・ファラージ氏率いる「ブレグジット党」に不安を抱いている。
出所:Bloomberg
基本的には、合意に基づいた離脱に向けてジョンソン首相が邁進していると想定していることは変わりませんが、総選挙の実施が決まったことで、ブレグジット党の存在が不安定要素として浮上してきました。
よって、英ポンド/米ドルは、いったん1.3000ドルレベルをトップに、調整に入る可能性が浮上。
(出所:Trading View)
中期での英ポンド/米ドルの上昇トレンドは変わりませんので、総選挙に向けて、調整局面での英ポンド/米ドルの押し目をうまく拾いたいところ。
11月に入って、米国と英国での新たな選挙戦が始まる中、米ドル/円と英ポンド/米ドルの動向に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)