■中国の問題から世界的な問題へ
1週間ほど前から、金融市場が反応し始めていますが、これは、中国以外の国に感染が広がったことが原因となっています。
中国で感染が拡大しているときは、他の国にとっては、対岸の火事でした。そのときの金融関係者の関心事は、新型肺炎による中国の景気後退がどの程度で、それが世界経済にどの程度、影響するのかということでした。
しかし、アジアだけではなく、イタリアを始めとする欧州や米国などでも感染者が出てきて、モードが一気に変わりました。
これは、「世界的な問題になっていくかも」ということに、みんなが気が付いたということだと思います。
■株式市場の下落は今後、さらに加速するかも…
常識的に考えれば、これから益々、全世界で新型肺炎の感染が広がっていきます。
そうなれば、拡大に合わせて、各国は益々、新たな対応に迫られてきます。すると、益々、景気が落ち込むというスパイラスに陥る可能性が、極めて高くなってきたと思います。
そういう前提で、今後も株式市場の下落は、さらに加速する可能性があると、警戒する必要があります。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
■米ドル/円は105円程度まで下落の可能性
そうなれば、リスクオフの展開となり、為替市場は円高に向かうのではないかと思います。
米ドル/円も、112円台をつけたあと、108円台にまで下落してきていますが、これでは収まらないかもしれません。105円程度までの下落は、あってもおかしくないと考えておいたほうが良いと思います。
【参考記事】
●「セル・ジャパン!」と言いながら円売り。低ボラ脱却へ。米ドル/円は下値余地拡大か(2月27日、西原宏一)
●「342兆円」VS「1855兆円」の行方は新型コロナウイルス次第。リーマンショック級の不景気も!?(2月27日、志摩力男)
(出所:TradingView)
私も気持ちを切り替えて、米ドル/円、英ポンド/円などでショート(=売り)、つまり、円買いポジションを作って相場を見ています。
(出所:TradingView)
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