■防衛ライン接近中のユーロ/スイスフラン
同じく欧州通貨では、ユーロ/スイスフランも注目されています。
スイス中銀による介入ラインとされている1.05フランへと接近しています。
【参考記事】
●WTI原油暴落の背景にあったロックダウン。買われ続けるスイスフランに介入の可能性!?(4月23日、西原宏一)

(出所:TradingView)
介入期待で買ってもいい水準なのですが、1.05フランが防衛されるだろうとする銀行と、今回は割ってしまうだろうとする銀行と、見方は真っ二つに割れています。
介入が入るとしても1.05フランを少し割ったところで入る可能性もあり、買うのならストップは1.0480フランなど離したほうがいいかもしれません。
原油市場は、底堅い動きが続いています。
明日5月19日(火)は、米原油先物6月限が納会となりますが、米国の原油ETF「ユナイテッド・ステーツ・オイル・ファンド(USO)」は限月の分散を進めるなど対策を進めていますし、OPECプラス(※)は6月以降も現行水準の協調減産を継続する意向を示しており、マイナス価格に突入した4月納会直前のような大きな波乱は起きない見通しです。
(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)
【参考記事】
●衝撃の米雇用統計でバイ・ザ・ファクト! 米マイナス金利は年内!? ドル/円は戻り売り(5月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
●原油価格が史上初のマイナスに! 一体なぜ? 各社の原油CFDはマイナス価格になったのか?
●原油価格暴落で逆オイルショックに!! トルコリラは対米ドル・対円で下落継続へ(4月22日、エミン・ユルマズ)

(出所:TradingView)
■米連邦債務残高の拡大はゴールドに追い風
コモディティでは、ゴールドが強いですね。
教科書的には米ドル安や株安で資金の逃避先としてゴールドが買われるとされていますが、今回は株高金高。
金融緩和による過剰流動性相場ですね。
金価格は、米連邦債務残高との相関性を指摘する向きもあります。
トランプ政権はすでに3兆ドル規模の経済対策が可決済みですが、5月15日(金)、民主党がまとめた3兆ドルの追加経済対策が下院を通過しました。
仮に、さらに3兆ドルとなればインパクトは大きいですし、債務残高がさらに拡大し、金価格には追い風となります。

(出所:TradingView)
上院は共和党が多数派ですから否決されるのでしょうけど、共和党も対案を出してくるでしょうから、行方に注目です。
■米ドル/円のリスクはむしろアップサイド
今週の戦略は、どう考えますか?
米ドル/円は弱気な見通しが増えていますが、リスクオフの円買いが弱まっていること、トランプの米ドル高発言もあり、リスクはむしろアップサイド。
106円台ミドルは買ってもいいのでは。
あるいは、短期トレードであれば英ポンド/米ドルの買いもおもしろいでしょう。あくまでも短期的な調整狙いですが。

(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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