■トルコ中銀利上げも、実質的な金利は、まだマイナス水準
今週(9月28日~)のトルコリラですが、対米ドル・対円での下落が加速していて、米ドル/トルコリラは7.80リラを超え、対円でも13.50円を割る水準まで売られました。

(出所:IG証券)

(出所:IG証券)
9月24日(木)に行われたトルコ中銀の政策会合で2.00%の利上げが行われ、トルコの政策金利は、8.25%から10.25%に引き上げられました。
【参考記事】
●トルコリラの足元の下落は、9月24日発表の政策金利据え置きを織り込んだ動きか(9月23日、エミン・ユルマズ)

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
利上げのニュースを受け、トルコリラは瞬間的に上昇しましたが、その後、再び下落に転じました。その主な理由は、市場が2.00%の利上げに満足していないからです。

(出所:IG証券)
トルコ国内の、来年(2021年)に対するインフレ率期待は、すでに12%に近づいているため、2.00%の利上げでも政策金利は、まだ実質的にマイナス金利の水準です。
そこに世界の主要な石油・天然ガス生産地域のひとつである南コーカサスの政情不安定化も加わり、トルコリラが大きく売られる結果となりました。
アルメニアとアゼルバイジャンの戦争が、直接、ロシアとトルコを巻き込んだ地域紛争に発展する可能性は低いと考えますが、トルコリラは、その可能性も織り込み始めているのではないかと考えます。
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