■クロス円下落は米ドル高が進んだ結果
しかし、それぞれの値動きをよくよく見てみると、クロス円の下落というよりは、むしろ、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、あるいは豪ドル/米ドルで、米ドル高が進んだということがわかります。
これらの通貨ペアは、この1カ月ぐらい上昇、つまり、ずっと米ドル安傾向にあったのですが、その間に上昇した分を、今週(10月26日~)でほとんど戻してしまったことが、よくわかります。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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一方、その間も、米ドル/円だけは方向感のないまま、104~106円のレンジの中をうろうろしていただけであることも、わかると思います。
(出所:TradingView)
■米大統領選に向けたポジション調整は、ほぼ終わったか
つまり、この1週間の動きというのは、米ドル/円を除いては、それまでの調整相場であったということです。
これで、米大統領選に向けてのポジション調整は、ほぼ終わったと考えておけば、いいのではないでしょうか。
もうここからは、今週(10月26日~)の動きは、続かないのではないかと考えています。
■引き続き、米ドル/円のレンジトレードが安全か
これは、今年(2020年)の相場の特徴ですが、これまで、一方的な相場のトレンドが長続きしないということが、ほとんどでした。
ですから、そのことを念頭にトレードをした人はうまくいったでしょうし、逆に、相場を追いかけてしまった人は、あまりうまくいかなかったのではないでしょうか?
基本的には、米大統領選が終わっても、こういう傾向は続くのではないかと、個人的には考えているのですが、それに関しては、来週(11月2日~)以降、改めて考えていくことにします。
トレードに関して言えば、これまで、米ドル/円を104~106円のレンジと考えて、レンジトレードを続けるのが一番、安全だと言い続けてきましたが、その方針は変えずにおきたいと思います。
【参考記事】
●市場がバイデン勝利を織り込まないワケは? 米ドル/円は104~106円のレンジトレードで(10月22日、今井雅人)
●今回の米大統領選は2016年とは状況が違う。米ドル/円は当面104~106円、クロス円は?(10月16日、今井雅人)
●米大統領選が近づき、しばらく気迷い相場か。米ドル/円は、引き続きレンジトレードで!(10月8日、今井雅人)
●米ドル/円の104~106円を想定したレンジ取引が一番いいか。相場が崩れた理由は?(9月24日、今井雅人)
(出所:TradingView)
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