■案の定、米ドル安は修正された
ところが、それで米ドル安になるということが、どうも理解ができません。
確かに、新型コロナウイルスの感染が拡大した今年(2020年)の3月頃は、米ドルの資金繰りが逼迫し、急激な米ドル高になりました。そして、それが少し落ち着いてくると、米ドルが反落しました。
(出所:TradingView)
しかし、これは言ってみれば、パニックによる取り付け騒ぎ的な現象でしたので、極めて一時的なものであったと思います。
政府が巨額の経済対策で米ドルを垂れ流すので米ドル安、という意見もあるようですが、それは、他の国も同じ状況です。それで米ドル安というのも、ちょっと違うのではないかと思います。
【参考記事】
●なぜ、米ドル安の長期化を予想する人が増えたのか? 米ドル安第2弾は本格化しない(8月20日、今井雅人)
そう考えていたら、案の定、米ドル安は修正され、元の位置に徐々に戻ってきています。
(出所:TradingView)
■米ドル安ではなく、緩やかな円安傾向か
そして、今後の展開ですが、もちろん、新型コロナウイルスの感染が急拡大してきているので、景気は不安定ではあります。しかし、これだけ金余りになっていると、株価はそう簡単には崩れないでしょう。
外国為替市場は、一方的な動きにはならないと思いますが、米ドル安に向かっていくというイメージはありません。
円はある程度、安い状況が続くと思いますので、やはり、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を中心に、円安傾向が緩やかに進む可能性が高いのかなと想像しています。
【参考記事】
●大接戦の米大統領選。結果確定には時間を要するか。バイデン氏勝利なら株高・円安へ(11月5日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 週足)
■米ドル/円の押し目買い。106円超えなら110円も!?
当面は、米ドル/円の押し目買いを中心に、やっていこうと思います。
米ドル/円の週足を見ると、106円を超えてくると、中長期的な下降トレンドラインを上に抜けてきますので、そうなると、110円が見えてくる展開も期待できると考えています。
(出所:TradingView)
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