■豪ドルのほうが、NZドルよりも上昇余地あり!
一方、次のチャートは、NZドル/米ドルの月足です。
(出所:TradingView)
NZドル/米ドルも、2011年8月に0.8843ドルの高値に到達後、急反落しました。
ただ、今年(2020年)の安値は0.5470ドル。
豪ドル/米ドルが約9年間で価値を半分にしたことと比較すると、NZドル/米ドルの下落はそれほど急激ではなかったことがわかります。
見方を変えれば、豪ドル/米ドルの下落が急激だった背景には、米中対立の激化によるリスクオフ、そして、昨年(2020年)末からの豪州の大規模森林火災、さらに新型コロナショックと、立て続けに悪材料が重なったことが挙げられます。
【参考記事】
●森林火災危惧も、豪州株は最高値更新。豪ドルは底堅い! 対円は80円へ反発開始(1月16日、西原宏一)
リスクアセット通貨である豪ドルは、世界経済が不安定になると、そのヘッジとして売られる傾向もあるため、必要以上に値を下げたといえるのです。
結果、現在のように、米国の大統領選後に、日米とも株が急反発し、リスクオンの環境が整うと、豪ドルのほうがNZドルより反発が大きくなります。
つまり、豪ドル/NZドルの上昇を意味します。
■豪ドル/NZドルは、中期で1.15NZドルへ反発との予想も
最後は、豪ドル/NZドルの日足です。
(出所:TradingView)
前述のように、豪ドル/NZドルは12月1日(火)に1.0418NZドルの安値に到達。
これは、直近の高値と安値のほぼ61.8%(=1.0396NZドル)まで調整したことになります。
(出所:TradingView)
そして、12月2日(水)には、RBAのロウ総裁が、議会証言で「さらなる措置を行う用意がある」としながらも「マイナス金利導入の可能性は非常に低い」、「経済の危機は脱した」などと、タカ派的なコメントをしたことで、来年(2021年)のマイナス金利導入の可能性が低下。
これが、2021年にRBAはマイナス金利を導入するのではないか?と予測する豪州の銀行の不安を払拭する形になり、豪ドル/NZドルは1.0500NZドルレベルまで反発しています。
前述の、豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルの水準の説明を考慮しても、豪ドル/NZドルは1.1000NZドルレベルまで反発するのではないでしょうか?
ある米銀は、中期で1.1500NZドルまで急騰すると予測してます。
(出所:TradingView)
来年(2021年)も、豪ドルの反発は継続。対円や対米ドルのみならず、1.1500NZドルに向けて反発を開始した豪ドル/NZドルの動向にも注目です。
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