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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

2021年はユーロ/豪ドルの動向に熱視線!?
欧米と豪州で新型コロナの感染状況に差

2020年11月26日(木)17:01公開 (2020年11月26日(木)17:01更新)
西原宏一

FXトレーダー・羊飼いに聞く、初心者におすすめのFX口座の選び方とは?

■2020年のキーワード筆頭は「ロックダウン」

 みなさん、こんにちは。

 今年(2020年)も残るところ、あと1カ月強となりましたが、今年(2020年)のキーワードの筆頭は「ロックダウン(都市封鎖)」

【参考記事】
マーケットは「アフターコロナ」に注目!大規模金融緩和であふれた資金はどこへ?(4月9日、西原宏一)
米国はロックダウン解除に向けた動きに。株下落でも米ドル/円は110円に向けて上昇へ(4月16日、西原宏一)

 これは、誰しも納得できるところでしょう。

 新型コロナウイルス感染拡大により、多くの主要都市はロックダウンに突入。それにより、マーケットは一気にリスクオフ相場となり、急激な「株安・円高」に突入しました。

 3月の米ドル/円は、一時101.19円まで急落

【参考記事】
米ドル/円は中期目標の100円水準に迫る! トランプ相場の起点が重要なサポートに(3月12日、西原宏一)

 NYダウは1万8213ドル、日経平均先物も1万5730円まで暴落しました。

 その後、主要国の追加景気対策や、ワクチン開発の進展などがあり、株は一気に値を戻しています。

 今週(11月23日~)のNYダウは、一時3万116ドルと史上初の3万ドル台に到達

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:TradingView

 これは、8カ月で約1.65倍の急騰になります。

 日経平均は、今週(11月23日~)2万6720円まで急騰。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:TradingView

 こちらも、8カ月で約1.70倍の急騰です。

 一転して強烈なリスクオン相場になっています。

■2021年も円やユーロの大きな動きは期待できない?

 では、一時101.19円まで急落していた米ドル/円はどうなっているのかというと、本稿執筆時点では104.30円近辺……。

 3月の101.19円までの急落後、一気に111円台まで急騰しましたが、その後はじり安の展開が続き、大きな動きがないまま11月に入っています。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:TradingView

 対米ドルでは、ユーロ/米ドルもあまり大きな動きはなし。

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足

(出所:TradingView

 マーケットでは、ファンディング通貨として認識されている円やユーロに関しては、来年(2021年)もあまりボラティリティは上がらないのではないかとの見方が増えています。

■2021年に注目すべき主要通貨は…!?

 では、主要通貨ではどの通貨に注目すればいいのか?

 米国株に限らず、株は大きく変動しているわけですので、まず、リスクオンとリスクオフに反応する通貨ペアを確認します。

 リスクアセットとしての筆頭は、豪ドル/円。豪ドル/円の動きをチェックしてみると、3月の安値が59.87円。その後の急反発で、8月に78.46円まで急騰しました。

豪ドル/円 週足
豪ドル/円 週足

(出所:TradingView

 5カ月の短期間で約1.31倍に急騰しています。

 少なくとも、今年(2020年)のFXでは、ファンディング通貨の米ドル/円やユーロ/米ドルではなく、リスクアセットである豪ドル/円をトレードしないと、なかなか収益が上がらなかったことがわかります

 そして、筆者がポストコロナで大きく動くのではないかと想定している通貨ペアが、ユーロ/豪ドル

ユーロ/豪ドル 週足
ユーロ/豪ドル 週足

(出所:TradingView

 今月(11月)に入り、米大手製薬会社のファイザーやモデルナといったところからワクチン開発進展の報道が相次いだことで、来年(2021年)は「ロックダウン(都市封鎖)」という言葉は時代遅れとなって、人の移動が回復。それに従って、人々の心理も回復すると思われます。

【参考記事】
新型コロナのワクチン開発期待で、市場はリスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇(11月12日、西原宏一)

 一時もてはやされた「ステイホーム銘柄」が値を下げ、「お出かけ銘柄」である航空株などが回復しています。

■2021年は豪ドル/円に加えて、ユーロ/豪ドルに熱視線

国別で見ると、回復スピードには明白な差が出ています

 このコラムで頻繁に取り上げている豪州の感染者数は、ほぼゼロ

 季節的にも南半球はこれから夏に向かい、状況はさらに好転することが見込まれていますが、慎重な豪州はまだ国境を封鎖しており、感染者ゼロも近いうちに実現できそうです。

 一方、米国や欧州では新型コロナウイルスの感染者が急拡大中

【参考記事】
新型コロナ感染者が少ない豪州に注目! 豪ドル/米ドルは0.75ドルを目指す展開に(11月5日、西原宏一)

 北半球はこれから冬に向かうため、感染者の拡大は避けられず、欧米の主要都市でロックダウンが相次いでいます。

 つまり、豪州ではロックダウンはすでの過去のキーワードとなりますが、欧米では2021年もキーワードとなる可能性が高くなっています

 では、それが為替市場にどのような影響を与えているのかチェックするため、欧州と豪州の通貨ペア、ユーロ/豪ドルで確認してみましょう。

 新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、3月のユーロ/豪ドルは一気に急騰し、一時1.9802豪ドルの高値に到達。

 その後、急速に値を下げ、現在、1.6200豪ドルレベルまで急落しています。この間、約3600pipsの暴落。

ユーロ/豪ドル 週足
ユーロ/豪ドル 週足

(出所:TradingView

 前述のように「ロックダウン」というワードは、豪州では2020年のキーワードとして認識されていますが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く欧州では2021年も重要なトピックになる可能性が高まっています。

 ロックダウンは、(巣ごもり需要は別として)総じて、実体経済を低下させます

 ユーロ/豪ドルは、ファンディング通貨としての米ドル/円やユーロ/米ドルと比較すると圧倒的にボラティリティが高い通貨ペアですが、多くの新興国通貨のようにマーケットが荒れた場合、値がつかなくなるようなことも頻繁に起こるわけではありません。

 2020年後半は、ポストコロナで湧いた株式市場を横目に動きを止めていた米ドル/円やユーロ/米ドル。そんな中、大きく値を上げ、活発に動いたのが、感染者ほぼゼロの豪州の通貨、豪ドルです。

 来年(2021年)は、豪ドル/円や豪ドル/米ドルに加え、新型コロナウイルス対策に格段の差が生じ、下落余地が拡大しているユーロ/豪ドルの動向にも注目です。


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