2月17日(水)に、いよいよ国内でも、コロナワクチンの接種が始まりました。
まだまだ、本当に契約している分のワクチンがスケージュールどおりに入ってくるのか? 国内の接種体制は本当に大丈夫なのか? など、不安材料もありますが、何とかこれを乗り切って、一日も早く、世の中が元の状態に戻っていくことを願っています。
■金余りによる楽観的な動きが円安要因に
さて、先週(2月8日~)から今週(2月15日~)にかけての外国為替市場の動きを見てみると、一言でいえば、全体的に円安傾向が続いてきたことが挙げられます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
その背景にあるのは、何といっても、金余りからくる、さまざまな市場の上昇です。
【参考記事】
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
●官製相場の株式市場は当面、崩れない! ならば、為替は円安傾向が緩やかに続くか(2020年11月26日、今井雅人)
一番、典型的なのは、株式市場であることは言うまでもありません。日経平均も、いよいよ3万円の大台を超えてきました。
(出所:TradingView)
ビットコインなどの市場も、過熱してきています。これらは、世界的な金余りから起きていることは間違いありません。こうした楽観的な金融市場の動きが、外国為替市場での円安傾向を起こしています。
【参考記事】
●ゴールド上昇で豪ドル/円は85円へ続伸中! テスラの購入発表でビットコインが暴騰(2月10日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → 仮想通貨リアルタイムチャート:ビットコイン/円(BTC/JPY)日足)
■米ドル/円は106円台へ。ただし、動きは鈍くなるか…
米ドル/円も、レンジ相場が続いていましたが、これまで抜けなかった105.65~70円を上に抜けると、一気に106円台に達しました。
(出所:TradingView)
しかし、これは米ドルが買われたというよりは、いろいろな通貨に対して円が弱くなったことが原因だと思います。
そうなると、米ドル/円は、上に抜けたとしても、その後の動きは鈍くなってしまう可能性が高いと考えています。簡単に言えば、レンジ相場が1円程度、上に切り上がったのだと考えておけば良いのではないでしょうか。
【参考記事】
●米ドル/円は押し目買い継続! チャートは強い形を維持。106円台を狙う動きにも期待(2月16日、バカラ村)
●底打ちの可能性高まる米ドル/円の押し目は拾う好機! しばらくは順張りスタンスで(2月12日、陳満咲杜)
■ユーロや英ポンドの上昇は米ドル安が原因ではない
ユーロや英ポンドは、ユーロ/円や英ポンド/円で買いが出たことで上昇し、それが結果的には、ユーロ/米ドルや英ポンド/ドルを上昇させたということで、決して米ドル安になったわけではありません。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上昇により、米ドル/円では米ドル高、ユーロ/米ドル・英ポンド/米ドルでは米ドル安という状態に、一時なっていたということです。
■利食い売りをこなしながら、ジグザグした円安へ
そこで、ここからなのですが、中期的な観点で見れば、これからも緩やかな円安傾向が続くのではないかと考えています。
ただ、ここからは、一気に円安になっていくのではなく、利食いの売りをこなしながら、ジグザグ運動の中での上昇となっていくのではないでしょうか。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 週足)
■トルコリラ/円は、年内20円にも期待
また、当コラムでは、豪ドルのような資源国通貨や、トルコリラやメキシコペソのような新興国通貨の買いを、すすめてきました。これらは、スワップポイント(スワップ金利)を稼ぐこともできるので、中長期的な観点からキープしておいた方が良いのではないかとの考えは変わっていません。
【参考記事】
●ドル/円、当面は104円台~105円台の推移か。チャートポイントを意識したトレードを!(2月12日、今井雅人)
●豪ドル/円の下値は、かなり堅いと見る! 長期保有目的で買いポジションをキープ(1月15日、今井雅人)
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
●ワクチン普及で株高・円安の復活に期待! 引き続き資源国通貨や新興国通貨の買いで(2020年12月17日、今井雅人)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
先日、トルコの情勢を、よく考えてみました。トルコ中銀のアーバル総裁は、就任以降、物価の上昇を抑えるため、エルドアン大統領と対峙しながら、金利を上げてきています。なかなか、勇気ある行動です。
彼が、この姿勢を貫き通せれば、トルコの未来はさらに、明るいものになってくるのではないかと思います。
【参考記事】
●投資家センチメント改善でトルコリラ上昇。実質実効為替レートでは、下げ過ぎだった(2月3日、エミン・ユルマズ)
●トルコ経済のジレンマ。利上げ反対だけどトルコリラ安も望まないエルドアン大統領(1月20日、エミン・ユルマズ)
●利上げと国債CDS下落でトルコリラは安定。米ドル預金を崩して消費に回す動きも!(1月6日、エミン・ユルマズ)
また、米国がトランプ大統領だったときは、エルドアン大統領は個人的に良好な関係を築いていましたが、バイデン政権になって、どうなるのかが注目されます。
これに関しては、私は、ロシアをけん制するという意味においても、両国が関係改善に努力するのではないかと考えています。こうしたことをうまくコントロールできれば、トルコリラ/円は20円程度までの上昇は、年内に期待できるのではないかと分析しました。ご参考までに。
(出所:TradingView)
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