■都議会議員選挙の結果が、今後に影響与えそう
7月4日(日)に実施された東京都議会議員選挙の投票率は、過去2番目に低い42.39%。雨の影響もありましたが、この投票率からわかるように、あまり人々の関心を呼ばない選挙でした。しかし、この選挙の結果は、今後の政局及び日本の経済に大きな影響を与えそうです。
自民党は第一党の座を取り戻しましたが、獲得したのはわずか33議席。50議席以上との事前予測には遠く及ばず、事実上敗北でした。
小池東京都知事の「狸寝入りにやられた」との声も聞こえますが、そんなことをいうのは男を下げるというもの。批判に耳を傾けることが大事でしょう。
実際に、選挙の結果を受けて、与党・自民党は大きく変わってきました。これまでは、何が何でもオリンピックを、しかも観客を入れて開催という姿勢でしたが、観客制限に大きく傾いています。
東京都議会議員選挙の結果を受けて、与党・自民党はオリンピックでの観客を入れての開催姿勢から観客制限に大きく傾いている
■オリンピック後に感染爆発となれば、菅総理の地位も危うい
いずれ、10月ごろには衆議院選挙が行われます。もし、オリンピックをきっかけにした新型コロナウイルスの感染爆発でもあれば、与党の過半数割れということはないでしょうが、菅総理が現在の地位を維持できるかどうか、かなり難しくなるでしょう。
オリンピックをきっかけにした新型コロナの感染爆発でもあれば、衆院選挙後、菅総理が現在の地位を維持できるのか、かなり難しくなりそう (C)Getty Images News
対する野党ですが、共産党と立憲民主党がある程度の議席を確保した一方、国民民主党は議席ゼロ、日本維新の会は1議席でした。保守系野党の難しさが現れています。やはり、日本にはその「マーケット」がないのかもしれません。
国民民主党は立憲民主党への合流は不可避でしょう。そして、立憲民主党は共産党との協力を深めることになります。野党は、極端に左にシフトすることになり、来る衆議院選挙は右対左が鮮明化したものになりそうです。
与党が選挙に勝つためには、経済を底入れしなければなりません。選挙前には経済対策が打ち出されるはずですが、都議会選挙の影響もあり、そして野党がより大きな経済対策を出してくることが目に見えていることから、対策は大きなものになりそうです。
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■先進国の中で、日本だけ2%台の低成長を続ける見通し
新型コロナウイルス感染初期の日本経済はそれほど悪くありませんでした。批判の多かった一律10万円の給付金ですが、経済効果は確かにありました。
しかしその後、財政悪化に配慮しているのでしょう、金融支援はしていますが、直接的な給付は絞られているので、先進国の中でも日本経済が極端に悪くなっています。
(※筆者提供)
主要国の中で、今年(2021年)も、そして来年(2022年)も、2%台の低成長を続けるのは日本だけです。最近、日本株が伸びないのは、日銀が買わなくなったのがもっとも大きな理由ですが、こうした経済の低迷も大きな理由のはずです。
経済対策が大きくなれば、株価にも好影響が出てくるかもしれません。
(出所:TradingView)
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■想像以上に、円安局面続く可能性も出てきた
新型コロナウイルスのワクチン接種で、すっきりとコロナ前の世界に戻る……そう思っていたのですが、デルタ株の蔓延で状況は変わりました。シンガポールが新型コロナウイルス対策の変更を打ち出してきましたが、英国も同様の路線を発表しています。
今も毎日2万5000人ほどの感染者を出している英国ですが、7月19日(月)に行動制限を全面撤廃します。
現在、テニスのウインブルドン選手権が行われていますが、9日(金)の女子準々決勝から観客を100%入れての大会となっています。映像を見ても、マスクをしている人はいません。
日本から見ると信じられない光景かもしれませんが、ワクチンを打っていれば重症化は防げるので、新型コロナウイルスはインフルエンザ並みに格下げされそうです。
国内の移動は自由になるでしょう。しかし、残念ながら、海外旅行が自由になるというには、かなり時間がかかりそうで、完全にもとには戻らないのでしょう。その分、国によっては経済成長が阻害されます。
日本の場合、インバウンド需要が戻らないのが痛いところ。ある程度の経済対策は続きますが、日本の低成長という基本的な問題は今後も残ります。
環境シフトでエネルギー価格が上昇し、その影響で相対的に円安水準でも、日本の貿易収支は改善しなくなります。想像以上に円安局面が続く可能性が出てきたと思います。
【参考記事】
●世界では、金融正常化競争がスタート! 「円」は割安でも、弱い推移が続きそう…(志摩力男)
(出所:TradingView)
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