米ドル/円は、好調な米雇用統計で上昇後は、下落傾向が継続
米ドル/円は、米雇用統計などが良かったこともあり、110.79円まで上昇しました。
【参考記事】
●NZ中銀は、8月政策会合で利上げの可能性。ニュージーランドドルは、対ユーロで長期的に買いが進む展開になるか(8月10日、バカラ村)
しかし、11日(水)に米CPI(消費者物価指数)が0.5%上昇、コア指数も0.3%上昇と、予想値からはほぼ同じでしたが、CPIは前月が0.9%上昇だったこともあり、その水準からは低下しています。
米国はインフレ懸念が出ていましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)要人が「インフレは一時的」としていたこともあり、その可能性があるような数字となりました。
それを受けて米ドル安となり、米ドル/円は110.30円付近まで下がりました。
そして、13日(金)にはミシガン大学消費者信頼感指数が発表され、 70.2と市場予想の 81.2より悪く、10年ぶりの低水準だったことから、米ドル/円は下がりました。
さらにアフガニスタンで、タリバンが政権を奪取したことで地政学リスクが高まり、円高となったことで、米ドル/円は109.11円まで下がりました。
米ドル/円は、これまで米雇用統計前後で短期的な天井をつけている傾向がありますが、今回は雇用統計後に3営業日も上昇しましたが、結局は雇用統計発表時の水準も下抜け、下がってきています。
米ドル/円は経済指標で良い数字が出ても、結局は上昇が続かない傾向のままです。
(出所:TradingView)
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FRBがテーパリングに向けて慎重に動く中、米ドル/円やユーロ/米ドルは横ばいに
今週(8月16日~)の重要イベントとしては、18日(水)に、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が公表されます。
前回のFOMCでは、テーパリング(※)は今後、複数回の会合で協議することが示されました。
しかし、その後にFRB要人からはタカ派的な発言が相次いでおり、早ければ9月のFOMCでテーパリングが示唆される可能性も出てきています。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
メインシナリオとしては、テーパリングの示唆は11月か12月のFOMCだと思いますが、タカ派のFRB要人が増えてきていることもあり、今回の議事要旨の内容は注目されるところです。
FRBとしては、テーパリングで金融市場にショックを起こさないように、ゆっくりと進めているのだと思いますが、そのため為替市場はトレンドが出にくい状態が続いています。
米ドル/円は110円を中心とした横ばいが継続しており、ユーロ/米ドルも1.1800ドルを中心とした横ばいが継続しています。
(出所:TradingView)
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米ドル/円は基本的に押し目買いも、利益確定は早めに行うトレードが良さそう
市場の注目は、米国のテーパリングのため、その期待が高まれば米長期金利は上昇へ、後退すれば米長期金利は低下します。
(出所:TradingView)
それに連れるように、米ドル/円も上下動していますが、米国のテーパリングの時期が近づきつつあり、米長期金利は上がりやすい状況となって、米ドル/円も底堅い推移になりやすいと思います。
(出所:TradingView)
米ドル/円の下げは続かないと思いますので、基本的に押し目買いで考えていますが、上昇トレンドにはまだなりにくいと思いますので、108~111円のレンジと考えての押し目買いでいいのではないかと思います。
ただ横ばいになりやすいため、利益確定を早めに行うようなトレードがいいのではないかと思います。
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