オミクロン株は当初懸念したほど脅威ではなさそうというのが、現在のコンセンサスに
世界中を不安に陥れたオミクロン株ですが、おぼろげながら、その正体が見えつつあります。
これまでの症例や専門家の見解などを見る限り、確かにオミクロン株は従来のウイルス以上に感染力が強いようです。
それは、いくつかの国でデルタ株からオミクロン株に置き換わってきていることからわかります。
また、これまでワクチンを2回以上接種している人も、感染しているケースが多発していますので、いわゆるブレークスルー感染をするウイルスであるということもわかってきました。
しかし、一方で、これまでオミクロン株に感染した人の中で、重症化した人の報告がほとんどありませんので、有毒性はそれほど強くなさそうだということもわかってきています。
また、米国のファイザー社は、3度目のワクチン接種をすれば、オミクロン株にはかなり有効性が高まる可能性が高いと発表しています。
オミクロン株に関しては、依然として分析中ではありますが、どうやら、当初懸念したほどは、脅威ではなさそうだというのが、現在のコンセンサスだと思います。
金融市場に安心感が戻り、市場の関心は米国の金融政策に戻っていく可能性が高い
こうしたことを受けて、金融市場でも安心感が戻り、株式市場も上昇し、FX市場では円安に向かっています。
(出所:TradingView)
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今のところ、まだ断定的なことは言えませんが、オミクロン株がそれほど脅威ではないということになれば、市場の関心は、また米国の金融政策に戻っていく可能性が高いと考えています。
今年最後のFOMCは超注目。インフレ抑制に対する強いメッセージが出てくるのでは
そういう意味においては、来週、12月14日(火)、12月15日(水)に開催される今年(2021年)最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)は超注目です。
これまでのFRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言を総合して考えても、インフレの加速に対する強い懸念はFOMCのメンバーの中で共有されており、金融の引き締め政策は加速していく公算が高いと考えています。
おそらく、今回のFOMCでもインフレ抑制に対する強いメッセージが出てくるのではないかと予想しています。
そういうことを確認しながら、米長期金利(米10年債利回り)もまた上昇していくのではないでしょうか。米長期金利も1.7%あたりりまでは戻ると考えています。
(出所:TradingView)
米ドル/円は年内に114円を上に抜けて、115円台を目指すのでは
それに合わせて、FX市場でも米ドル高に向かう可能性があります。
現在の米ドル/円ですが、112円台は固く反転してきたものの、現在、114円が上の壁になっています。しかし、年内には上にしっかり抜けて、115円台を目指すのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
また、ユーロ/米ドルも1.12ドルのところが1つの目処ですが、依然として1.06ドルへの下落過程の途中だという認識は変えていません。
(出所:TradingView)
そして、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)ですが、こちらは目先強めに推移するでしょうが、どこかで息切れしてくると思います。
どちらかといえば、米ドル相場のほうに焦点が当たりやすいということです。
ただし、これらの予測は、オミクロン株への認識を楽観的に見ている前提ですので、今後、逆のニュースが出てきたときは、見方を変えざるを得ないことは付け加えておきます。
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