注目高まる日銀金融政策決定会合、政策変更はあるか
フランスの大統領選挙はマクロンさんが再選を果たしました。
ルペンさんが勝てば、為替市場も反応したでしょうが、無難に通過し、特にイベントにはならないでしょう。
にわかに注目が高まっているのが、4月28日(木)の日銀金融政策決定会合です。
政策据え置きがメインシナリオですが、一部からは10年債利回り(長期金利)の変動許容幅拡大や、5年債利回りへのターゲット変更との声も聞こえてきます。
いずれにせよ、小手先の対応では限界がある。
変動幅の上限を0.25%から0.5%にしたところで、次の一手が浮かびません。
結局、円が売られる可能性もあります。
政策とともに、公表文や黒田総裁の記者会見にも注目が集まりそうですね。
開催日がGW(ゴールデンウィーク)入りの前日ですし、月末でもあり、翌週、5月4日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)も控えていて、いろんな意味で4月28日(木)は注目です。
米国株、「セル・イン・メイ」への警戒を
注意しているのが米国株の動向です。
先週末、4月22日(金)にNYダウは一時1000ドル超の急落となりました。
FOMCは5月、6月、さらに7月と連続で0.5%利上げの可能性もあり、0.75%利上げを求める声すら出ています。
米国株は年初から下げているとはいえ、まだ価格水準は高いんですよね。
(出所:TradingView)
主な株価指数は昨年(2021年)11月か、今年(2022年)1月が天井となっています。
それから4、5か月にわたり下落基調が続いているものの、下げ幅は小さいですね。
「セル・イン・メイ」のリスクが気になってきますね。
5月に向けて漂う「嫌なムード」
先週末の株価急落は、中国の影響もありそうです。
上海に続き、北京でもロックダウンの不安が高まっており、食料買い占めなどの動きが出ていますし、中国の資本市場からの資金流出は3月に過去最大規模となったそうです。
先週(4月18日~)から中国人民元も売られていますし、今朝(4月25日朝)は鉄鉱石も12%の急落。
豪ドルも急落しています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
利上げの影響による株価下落だけでなく、中国を筆頭とする世界的な需要低下による株価下落の懸念も出てきました。
5月に向けて嫌なムードになっていますね。
株価が急落すれば、安全資産の米国債が買われる。つまり米金利は低下します。
米ドル/円は米10年債利回りとの相関が非常に強まっていますから、米金利が低下すれば米ドル/円も下がることになります。
米ドル/円は上昇が急でしたから1、2円程度の調整は充分にあるでしょう。
(出所:TradingView)
豪ドル/米ドルの売り
GWの影響はいかがですか。
企業の為替担当者も休暇を取るため、指値のオーダーを出しっぱなしにしておく、なんて話も以前は聞きましたが。
オーダーはあるでしょうが、以前と比べると少ないでしょう。
先週(4月18日~)、米ドル/円は127.50円、128.00円、128.50円と並んでいたノックアウトオプションを、ドミノのように倒しながら上昇していきましたから、本来なら買っていたはずの投資家が買えていない。
「下がったら買いたい」と考える投資家は多いと思います。
【参考記事】
●5月6日(金)が相場の転換日となる可能性!? 今週も米ドル/円の押し目買い方針を継続、米国の金利以外の要因で下げた局面は買い場(4月18日、西原宏一&大橋ひろこ)
今週の戦略はどう考えますか?
「米ドル/円の130円、米10年債利回りの3%」の大きな節目を、今回のステージでは超えられませんでした。
米株下落によるリスクオフの米ドル買い、米金利の反転、中国経済の失速、さらに第1四半期最大のテーマだった南半球&資源国通貨買いの調整――こうしたことを考えると豪ドル/米ドルの売りがいいのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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