相場は混迷期に入ってきている。その背景の1つは、FRBの関係者の発言
米CPI(消費者物価指数)ショックで、大幅な米ドル安となった先週(11月7日~)から1週間が過ぎますが、相場は混迷期に入ってきています。まだ市場が方向性を定められないでいるようです。
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⇒米ドル/円は140円の節目を下抜けると、さらに下がりそう! 衝撃の米CPIを受けた米ドルの下げは、一時的なものでない。米利上げが終わるのであれば、米ドル高も終わるということ(11月11日、今井雅人)
その背景の1つは、FRB(米連邦準備制度理事会)の関係者の発言です。昨日(11月17日)には、ブラード米セントルイス連銀総裁が次のような発言をしています。
「制限的な政策金利の最低水準は5~5.25%」
「5~7%の金利レンジを示唆」
「10月のインフレ指標は励みになるが、来月は逆方向に進む可能性もある」
現在のFFレート(※)は3.75~4.00%。12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では0.5%の利上げが確実ですので、4.25~4.50%で年末を迎えることになります。
(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)
一部では、これでいったん利上げを停止してしばらく効果を確認するのではないかという憶測もありましたが、ブラード総裁はこれを真っ向から否定したことになります。
さらに、最終的にどこまで利上げをするのかというのも焦点になっていますが、最低で5.25%と発言していることや、最大7%という数字を出したことは、正直驚きでした。また、米CPIが逆方向に向かう可能性もあるという発言も注目です。
また、さらにカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁も、
「利上げ停止時期を予想するのはためらう」
「基調的な需要減の十分な証拠見られず」
ということで、早期の利上げ停止議論に釘を刺しました。ただ、結局は、12月に発表されるCPIの結果次第ということになりそうです。
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米ドル/円は当面、138~141円程度のレンジか。140円台で売って、下がったところを買い戻す
その前提で考えると、当面、為替相場はレンジに入ったと考えるのが一番妥当かと思っています。
私個人的には、ここ数カ月の米CPIはピークの9%台から毎月低下していますので、インフレは鈍化傾向に入っているのではないかと考えています。いずれまだ米ドル安が始まると現時点では考えていますが、すべては米CPIの結果次第ということです。
米ドル/円は138~141円程度のレンジの中で推移する可能性が高いのではないでしょうか。
個人的には米ドル売り方針で臨んでいますので、140円台でショートメイクをして、下がったところを買い戻すということをやっていますが、これをしばらく継続するつもりです。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、しばらく1.0250~1.0450ドルぐらいでもみ合いをした後に、再び上昇するというのが一番ありそう
ユーロ/米ドルは週足で見ると先週、下降トレンドを上に抜けています。
(出所:TradingView)
しかし、日足で見ると、かなり上昇が急で、MACDなどを見ても買われ過ぎになっていますので、しばらく、1.0250~1.0450ドルぐらいでもみ合いをした後に再び上昇するというのが、一番ありそうな展開ではないかと考えています。
(出所:TradingView)
しばらくもみ合いをした後は、大相場がやってくる可能性が高いと考えていますので、それを逃さないように、市場が発するサインを注意深く見ておきます。
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