植田日銀新総裁のハト派な発言を受けて、円独歩安に
4月28日(金)は、植田新総裁就任後、初の日銀会合(日銀金融政策決定会合)がありました。
少数でしたが、YCC(イールドカーブコントロール)の修正を期待する海外勢もいましたが、金融政策は現状維持。
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植田総裁の会見では、「拙速な引き締めで2%物価目標が達成できないリスクの方が大きい」と発言。
これまでの金融政策について「1年から1年半程度の時間をかけて、多角的にレビューを行う」など、ハト派な発言が多く、円独歩安となり、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)円は上昇しました。
これから1年ほどレビューの期間となりますが、その期間内でも金融政策を変更する可能性があることを発言していたものの、総じてハト派な発言で、米ドル/円は137円台まで上昇、ユーロ/円に関してはリーマンショック以降の高値を更新しています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
英ポンド円も、昨年(2022年)10月の高値172.13円目前まで上昇してきています。
(出所:TradingView)
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FOMCでは、次回以降も利上げの可能性を残す発言になりそうで、米ドル高になりやすい
先週(4月27日~)に引き続き、今週(5月1日~)も重要イベントが多くあります。
水曜日(5月3日)はFOMC(米連邦公開市場委員会)、木曜日(5月4日)はECB(欧州中央銀行)理事会、金曜日(5月5日)は米雇用統計があります。
FOMCでは、0.25%の利上げはほぼ確実で、すでに織り込まれている状態です。
注目されるのは、今回の会合で利上げサイクルが終了するのか、その可能性を示唆してくるのか、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見が重要となってきます。
金融機関には、今回に利上げ終了を示唆すると予想しているところもあります。
ただ、次回のFOMCは6月14日(水)になり、それまでに多くの経済指標が発表されます。
そのため、今の段階で利上げの打ち止めを示唆するような発言は出ないと思います。
次回以降も、利上げの可能性を残す発言になると思うため、FOMCでは米ドル高になりやすいように思います。
ECBは利上げがまだ続く可能性が高い。0.25%利上げでも、ユーロはあまり下がらなそう
ECB理事会は0.25%の利上げだと思いますが、0.50%の利上げを予想もあるようです。
ただ、FRBと違って、ECBは利上げはまだ続く可能性が高く、0.25%の利上げになったとしても、ユーロはあまり下がらないように思います。
積極的に買うような材料は出ないと思いますが、売る材料にも乏しく、方向感は期待できないかもしれません。
米ドル/円は3月高値137.90円を超える可能性が高い。ユーロ/円の上には目立ったレジスタンスがない
日銀会合をきっかけに円安に推移しており、米ドル/円やクロス円は買い方向がいいように思います。
米ドル/円は昨年の152円の高値から3月の高値137.90円を結んだ下降トレンドラインがサポートに変わっており、21日移動平均線もサポートされた状態で上がってきています。
今は200日移動平均線に絡んだ推移となっていますが、137.90円の高値も近く、ここも超える可能性が高いように思います。
(出所:TradingView)
クロス円も、ユーロ/円は150円の節目を上に抜けて、ここから上は目立ったレジスタンスがない状態です。
(出所:TradingView)
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豪ドル/円は90.20円付近をサポートに、93.10円付近のレジスタンスまで上昇する可能性も
ただ、ユーロ/豪ドルは長期の高値圏で推移しており、その水準から調整しています。
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(出所:TradingView)
この動きがまだ続くのであれば、豪ドル/円やニュージーランドドル/円の方が強くなる可能性があります。
豪ドル/円は、週足では下ヒゲの長い足となっており、90.20円付近をサポートに、93.10円付近のレジスタンスまで上昇する可能性があるように思います。
(出所:TradingView)
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