相場は方向感を失っている。これは、来週の中央銀行の政策決定会合週間まで続きそう
相場はかなり方向感を失ってきましたが、これは来週(7月24日~)まで続くと思います。
来週が、中央銀行の政策決定会合週間だからです。
7月25日(火)、26日(水)はFOMC(米連邦公開市場委員会)、7月27日(木)はECB(欧州中央銀行)理事会、7月27日(木)、28日(金)には日銀金融政策決定会合があります。
その中で、特に注目されているFOMCと、日銀金融政策決定会合について考えてみます。
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FOMCの0.25%引き上げはまず間違いないが、9月以降はデータ次第か。FOMCの決定を受けても、相場はあまり動かなそう
まずは、FOMC。
会合では、FFレート(※)の0.25%引き上げはまず間違いありません。
(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)
問題は、それ以降をどうするのか?という点です。
これまで、FOMCの関係者は年内2回の利上げを示唆してきました。
しかし、先日発表された米国のCPI(消費者物価指数)は年率で3.0%と、1年で6%以上下がってきました。
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⇒米ドル/円での米ドル安が顕著なのは、ポジションの偏りによるもの! 米CPIの急低下で、米ドル安圧力は当面かかるが、日銀の政策変更観測は過剰反応で、中期では円安継続(7月14日、今井雅人)
FRB(米連邦準備制度理事会)の目標は年率2%ですので、かなり近づいてきました。
だからと言って、もう大丈夫というわけではないと思いますが、FOMCのメンバーもかなり安心していると思います。
おそらく、当局としては、9月以降は今後のデータ次第と考えているのではないでしょうか。
現在のFFレートの先物市場を見ると、9月の追加利上げは17%程度織り込んでいます。
年末までの追加利上げとなると、30%程度となっています。
ただ、期待感はそれほど高くなっているわけではないので、FOMCの決定を受けても、相場はあまり動かないのではないかと考えています。
YCC変動幅拡大観測があるが、前回の金融政策決定会合の主な意見を見ると、とてもそうは思えない
2つ目は、日銀の金融政策決定会合ですが、こちらはより重要度が高いです。
というのは、依然として市場関係者の一部が「今回YCC(イールドカーブコントロール)の変動幅を拡大するのではないか」と考えているからです。
そのきっかけは、7月7日(金)の日経新聞による内田日銀副総裁のインタビュー記事でした。
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この中で内田副総裁は、YCCに関して「金融緩和を継続するという観点から続けていく」とする一方で、「金融仲介機能や市場機能に配慮しつつ、バランスをとって判断していきたい」と話しています。
この「バランスをとって判断していきたい」という表現を見て、これは「YCCの変動幅を拡大する可能性があると言っているのではないか」と解釈したということです。
しかし、前回の金融政策決定会合の主な意見を見ると、
「企業の賃金・価格設定行動など、ようやく訪れた日本経済の変化の芽を、金融緩和を継続することで、大切に育てていくべきである」
「中小企業の多くは、価格転嫁継続や輸出拡大等により、賃上げや投資への意欲を高めつつあり、これに水を差すような政策修正は時期尚早である」
「拙速な政策転換によって目標達成の機会を逃すリスクは大きく、引き続き、粘り強く金融緩和を続けることが重要である」
など、ほぼ全員が金融緩和政策を継続すべきで、今、金融政策を変更するのはかえってマイナスが大きいと考えていることが分かっています。
この状態で、YCCの変動幅を拡大するとはとても思えません。
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日銀の金融政策が変更なしなら、ある程度円安に。米ドル/円、ユーロ/円などで、1円程度の下押しを買いに入っても損失のリスクは低い
7月28日(金)に変更なしということになれば、ある程度円安に向かうと思われます。
その時は、米ドル/円よりはクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円安のほうが進む可能性が高いと考えています。
そのときまでは、レンジを想定してトレードするしかありませんが、基本は円売りを中心にやっていきます。
米ドル/円、ユーロ/円などで、1円程度の下押しがあったときは、買いに入っても損失のリスクは低いと考えて、やっていきたいと思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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