米ドル/円、クロス円が調整。理由は?
米ドル/円の152円超えでは、かなり高い可能性で介入が入るだろうと思っていましたが、152円に届かないまま落ちてきました。
ユーロ/円やスイスフラン/円などのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も、週末に向けて崩れています。
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⇒為替介入は時間の問題に! 1米ドル=152円の「神田シーリング」の手前で売って、5円下で利益確定、ドテン買いが理想だが、5円下の買い指値で待ち構えるのもよさそう(11月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
なにが原因だったのでしょうか。
クロス円を中心に、買いポジションの調整が入ったのだろうと思います。
今週(11月20日~)は、木曜日(11月23日)が感謝祭で米国が休場となりますから、その前に手仕舞っておこうと考える向きがいたのかもしれませんね。
それもありますし、年末の決算に備えて、今年(2023年)儲かったクロス円のロングを手仕舞うヘッジファンドも多いのでしょう。
ふくらんだ円売りポジション、巻き戻しに注意
日経平均は前場で一時33年ぶりの高値をつけました。
このまま高値を超えていくようだと、クロス円も強いということになりますが……。
(出所:TradingView)
先週(11月13日~)まで、米ドル/円は148円から152円のレンジを想定し、米ドル/円がレンジであればクロス円は押し目買いでいいだろうと思っていましたが、今朝(11月20日朝)、米ドル/円が149円を割ってきました。少し大きな調整が入るかもしれませんね。
(出所:TradingView)
IMM(国際通貨先物市場)ポジションも気になりますね。
先週末に発表された数字だと、円は13万枚の売り越し。過去最高が18万枚ですから、かなりの高水準です。
円売りポジションの巻き戻しが始まると、大きめな下落になる可能性もありませんか?
(詳しくはこちら → IMM通貨先物ポジション/経済指標・政策金利)
米ドル/円は7月以降、大きな調整が入っていない
そうですね。テクニカル的にもトップアウトしたようにも見えますし。
米ドル/円は昨年高値151.94円と面合わせして、ダブルトップとなる可能性もありますし、7月に約7円落ちて以降、調整らしい調整もありません。
(出所:TradingView)
148円をしっかり割り込んでくるようだと、145円といった水準が見えてきます。
メルマガでも配信したように、三菱UFJは143円をターゲットに米ドル/円の売り推奨を出しました。
今回の局面で、どこまで落ちるかはまだ判断できませんが、戻り売りを試してもよさそうですね。
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⇒西原宏一の「トレード戦略指令!」
(出所:TradingView)
エヌビディア決算、感謝祭、日本のCPI
今週のイベントでは、11月21日(火)のエヌビディア決算が注目です。上ブレするようだと、このまま年末に向かって株高が続くのかもしれません。
経済指標では、11月24日(金)に日本のCPI(消費者物価指数)、米PMI(購買担当者景気指数)といったあたりが注目されますし、11月23日(木)は感謝祭のため米国が休場。そして来週(11月27日~)からは12月に入りますね。
例年、12月になると、翌年(2024年)の予測を織り込んだ動きが出てくるようになります。
ゴールドマンサックスは、まだ155円のターゲットを変えていないと思いますが、152円を超えなかったことで、米ドル安派も徐々に元気になってきたようです。
このあたりはまた情報が入り次第、メルマガでお伝えしていきます。
149円をしっかり割り込んできた米ドル/円を短期で売り!
コモディティ市場では先週、WTI原油が72ドル台まで下げました。
サウジアラビアやロシアなどが減産しても、米国の原油生産量は過去最高を更新、イランも闇増産を続けていますから、需給面は決してタイトではありません。
しかも、先週発表された米国のCPIの内訳を見ると、ガソリン価格の低下が目立ちました。
ガソリン需要がゆるんでいるということは、米景気がよくないのかもしれません。
原油価格がこれ以上は上がらないとなると、決済通貨としての米ドル需要が減って米ドル安要因となります。
(出所:TradingView)
今週の戦略ですが、米ドル/円はゴトー日の今朝150円手前まで上がったものの、買いが続かず149円をしっかり割りこんできました。
短期で米ドル/円を売っていきたいと思います。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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