パウエルFRB議長の発言で米ドル高一色の展開
昨日(12月18日)行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF金利(※)の0.25%の引き下げが決定されました。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
これは、事前の予想通りでしたので、特段影響はありませんでした。注目は来年(2025年)以降の金融政策の方向性がある程度示されるのではないかという点でした。
その点についてですが、FOMC後の会見でパウエルFRB議長は、注目すべき発言をしています。ポイントは以下の通りです。
「今回の利下げ決定はぎりぎりの判断だった」
「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性」
「金利は中立に水準にかなり近づいた」
「金利調整プロセスの新たな段階に入った」
今回、利下げをしないという可能性があったこと、金利水準は中立に近づいているという認識を示したということは、来年(2025年)は利下げがないかもしれないということです。
パウエルFRB議長のこうした発言を受けて、米長期金利が急上昇し、米国の株式指数は急落。為替市場では、米ドル高一色の展開となりました。
(出所:Tradingview)
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日銀会合は利上げ見送り!発表後は円安基調強まる
次に、本日(12月19日)、日銀の金融政策決定会合が行われました。
ここでは、金融政策に関しては、現状維持となりました。前回のコラムで「日銀は利上げしないのではないか」とお話ししましたが、予想通りでした。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は152-155円レンジ想定し米ドル買い・円売り中心にトレード!FOMCの0.25%利下げを市場はほぼ織り込む一方、日銀は利上げ見送りか(12月13日、今井雅人)
CPIなどの上昇が緩やかになっていることなどから、結局、そこまでの切迫感がなかったということです。一部では利上げを予想する向きもあったため、発表後は円安基調が続いています。これも前回のコラムで予想した通りの動きになっています。
(出所:Tradingview)
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米ドル/円上値めどを157円程度に変更するが米ドル高が鮮明になるのは明日までか
さて、今回のFOMC、日銀金融政策決定会合の結果を総合すると、やはり、基本的な基調は米ドル高、そして円安ということになります。
ただし、これからクリスマス休暇に入ってきますので、米ドル高が鮮明になるのは、明日(12月20日)までではないかと思います。
米ドル/円は155円程度までの上昇を予想していましたが、それを上に抜けてしまいましたので、157円程度まで上値のめどを変更します。
(出所:Tradingview)
他のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)ですが、FOMCの結果を受けて、米国の株式指数が急落したことから、リスクオフからの円買いとなり、一時は全体的に下落していましたが、日銀の会合後はまた戻しています。ここからは、上昇は緩やかになるのではないでしょうか。
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