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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

米ドル/円は158~161円のレンジを想定。ウォーシュFRB議長のタカ派発言で米金利上昇も、介入警戒感高まる。8月から強気継続の豪ドル/円が本命!

2026年08月31日(月)14:18公開 (2026年08月31日(月)14:18更新)
西原宏一&叶内文子

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ウォーシュFRB議長のタカ派発言で米ドル全面高! それでも豪ドルは下がらなかった

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) ​みなさん、こんにちは。

トレーダー西原 それでは叶内さん、さっそく先週(8月24日〜)の株の振り返りからお願いします。

MC叶内 米主要3指数は大イベントを通過しつつ週後半にかけて上昇し、いずれも小幅プラスで終えました。

 NYダウは前週末比0.5%高と3週ぶりの反発。ナスダック総合指数は0.85%高で反発、S&P500は0.5%高で反発となっています。半導体関連はまちまちで、フィラデルフィア半導体指数SOXは3.47%安で終わっています。

 週初下げ材料となった中東情勢は、ベッセント米財務長官が発表した対イラン制裁が具体的なものでなかったことで懸念が後退。

 8月27日(木)引け後に発表されたエヌビディアの決算は予想を上回り、見通しも強いものでした。エヌビディア株は不安定ながら週間では1.3%高と反発。AIデータセンター投資は続くとの見方につながっています。

 金曜日(8月28日)のジャクソンホール会議では、ウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)の講演がありました。金融政策について踏み込んだ発言はしないとの見方もあっただけに、内容は市場の想定よりややタカ派的でした。

 基調的なインフレ率が目標の2%に向かって鈍化していると確信が得られなければ、FRBには「やるべき仕事がある」と述べ、利上げ警戒感が高まりました。

 その後、米短期金利は上昇しましたが、米ドルの上昇や株価の下落は小幅にとどまっています。

 中期的にみると、今後どのようなデータや条件が政策変更につながるのか、具体的な判断基準が示されなかった点は、市場の不透明感として残ったと思います。

 こうした米国株の動きを映したかっこうで、日本株も底堅く推移。日経平均は前週末比389円(0.59%)高の6万6405円と2週ぶりに上昇しました。半導体の一角が頭を押さえています。一方、TOPIXは前週末比1.95%高となり、7日続伸しました。また、新興市場の指数グロース250が7%超と急伸しました。

 イベントを控えて商いの少ない夏らしい相場でしたが、個別物色意欲の強さがうかがえます。

 米セールスフォースの好決算で日米ともソフトウェア関連が買われました。一時は「SaaSの死」とまで言われたものの、AIによってさらに仕事が増えている現状を確認し、一斉に上昇しています。

 為替市場はいかがでしたか。

トレーダー西原 為替は、金曜のジャクソンホール会議でのウォーシュ議長発言を境に、色分けがはっきりした1週間でした。

 発言を受けてFRBの利上げ織り込み度は急上昇し、直近では9月16日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが行われる確率は59.8%となっています。

 しかも、これは1回限りの話ではなく、誘導目標金利は年内から来年半ばにかけてじわじわと切り上がっていく形状になっています。

 市場はウォーシュ議長の発言を「単発のタカ派発言」ではなく「緩やかな利上げ再開シナリオ」として消化し始めているように見えます。

 これを受けて、米ドルはG10(主要10カ国)通貨に対して軒並み上昇しました。先週のG10通貨の対米ドル・トータルリターンを見てみましょう。

先週のG10通貨の対米ドル・トータルリターン

 スウェーデンクローナが▲1.36%で最弱となったほか、ニュージーランドドルやカナダドル、ユーロ、英ポンドなども軒並み下落。日本円も▲0.69%と沈んでいます。

 ところが、この「米ドル全面高」の流れから唯一外れたのが、豪ドルです。対米ドルでわずか▲0.01%とほぼ変わらず、G10通貨の中でひとり気を吐く格好になりました。

 背景には、豪州のOIS(翌日物金利スワップ)市場でも利上げ織り込みが進んでいることがあります。

 9月29日(火)のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])会合では48.8%の確率で利上げが織り込まれ、誘導目標金利も年末にかけて4.6%台まで切り上がる形状です。

 米国だけでなく豪州でもタカ派的な金利観測が強まっていることが、豪ドルの底堅さを支えました。

 一方、肝心の米ドル/円は、ジャクソンホール会議後に一時160円台に顔をのぞかせる場面があったものの、明確な方向感を伴う動きにはなっていません。

 週間でみれば158円台半ばから160円台前半という狭いレンジで、神経質な値動きに終始しています。

 結果として、方向感の乏しい米ドル/円よりも豪ドル/円に注目が集まり、クロス円では豪ドル/円の強さが目立った1週間でした。

 それでは叶内さん、今週(8月31日~)のイベントと株の注目点をお願いします。

米雇用統計に今週は注目! 9月利上げ観測はどうなる?

MC叶内 米雇用統計をはじめ重要指標の発表が相次ぐ月初で、このところ株価が急落する場面もみられるだけに、慎重ムードが広がるかもしれません。

 引き続き金利の高さは気になるところで、ジャクソンホール会議の次は8月31日(月)~9月1日(火)のG20(主要20カ国)財務相・中央銀行総裁会議が注目されます。

 ベッセント米財務長官とウォーシュ議長は意見が違っているとも言われていますが、米国の金融・財政についてどう説明するのでしょうか。9月3日(木)にはウォーラーFRB理事の発言もあります。

 経済指標は、米国で9月1日(火)に8月ISM製造業景気指数と7月JOLTS求人件数、2日(水)に8月ADP雇用報告とベージュブックが発表されます。

 3日(木)には7月貿易収支と8月ISM非製造業景気指数、そして4日(金)には8月雇用統計が発表されます。

 中国では、8月31日(月)に8月製造業PMIが出てきます。

 国内では31日(月)に7月鉱工業生産、9月1日(火)に4~6月期法人企業統計、4日(金)に7月全世帯家計調査が発表予定です。9月中旬の金融政策決定会合に向け、指標の注目度は高そうです。

 米雇用統計は、前回7月の非農業部門雇用者数が予想外の前月比マイナスとなりました。さらに5月、6月分も下方修正され、これまで堅調とみられてきた米雇用の先行きに疑問符がつく結果となりました。

 今回の市場予想は、非農業部門雇用者数が+5.6万人とプラス圏に浮上。失業率は4.1%と前月に低下した水準を維持する見込みになっています。平均時給は前月比+0.3%と7月の+0.1%から加速、前年比では+3.0%と7月の+3.2%から鈍化を見込んでいます。

 ウォーシュ議長が語ったように、労働市場は「かなり安定している」ことを示す結果となるでしょうか。

 そのほか、2日(水)から4日(金)の日程でアジア最大級の半導体国際展示会「SEMICON Taiwan 2026」が開催されます。

 為替市場の見通しはいかがですか?

米ドル/円は介入警戒で上値限定か。158~161円のレンジを想定

トレーダー西原 今週の為替の見通しですが、まずジャクソンホール会議でのウォーシュ議長発言の余韻から入ります。

 発言そのものは「ちょっとタカ派」という程度でしたが、それでもFRBの利上げ織り込み度は59.8%まで上昇しました。米2年債利回りが上昇したことを受けて、米ドル/円は底堅く推移しています。

 ただし、米ドル/円の160.50円レベルは介入警戒感が高まってくるゾーンです。

 日米協調介入の記憶がまだ生々しいことに加え、週末にベッセント米財務長官が「無秩序な円相場は米金利上昇につながるリスクがある」との見方を示したこともあり、当局のけん制は相応に効いてくるでしょう。

 したがって、米ドル/円単体では158~161円のレンジでの推移継続というのが基本認識です。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView(トレーディングビュー))

豪ドル/円が今週も本命! 押し目買いスタンスを継続

 円を売るとすれば、8月から僕もしつこく持ち続けている豪ドル/円が本命です。

 年初来高値圏である114.96円レベルまで買われたところで、いったんロングは少し減らしました。

 ただ、豪ドルはディベースメントトレード(通貨価値の希薄化に備えるトレード)の受け皿として、物色されやすい状況が続いています。

 また、資源国通貨であることから、ゴールドのプロキシー(代替的な投資先)として注目されやすいという位置づけも変わっていません。豪ドル/円のロング継続というスタンスです。

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 ただ、豪ドル/円はクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)ですので、160円台に乗せてきた米ドル/円自体の動向にも、当然引っ張られます。

 介入も警戒しつつ、基本戦略としては豪ドル/円の押し目買いを継続していきます。

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

トレーダー西原MC叶内 それでは、今週も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!


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今井雅人